悲惨な出来事や過ち…忘れないために 映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」 サイモン・カーティス監督に聞く
更新80歳を超える女性がクリムトの名画の返還を主張し、オーストリア政府を訴えた実話を基にした「黄金のアデーレ 名画の帰還」。一人の女性と駆け出し弁護士が一国に挑む孤独な戦いと、名画がたどった数奇な運命を描いた感動作だ。
1998年。米国のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は弁護士のランディ(ライアン・レイノルズ)に、クリムト作「黄金のアデーレ」をオーストリア政府から取り戻すよう依頼する。その絵は彼女の伯母、アデーレを描いた肖像画で、第二次大戦中にナチスに奪われたものだった…。
サイモン・カーティス監督(55)は「第二次大戦を描き出すのに素晴らしい素材だと思った」と語る。頑固で毒舌家だが、ユーモアあふれるマリアをミレンが好演。監督は「企画の当初から彼女を考えていた。ウイットと温かさと同時に“怒り”を表現できる女優なんだ」と語る。

