【フィギュア】震災５年 羽生結弦、鎮魂歌をダイナミックに舞う
更新３月で発生から５年となる東日本大震災からの復興支援を目的とするフィギュアスケートの「ＮＨＫ杯スペシャルエキシビション」が９日、盛岡市で行われた。仙台市出身の羽生結弦（はにゅう・ゆづる、ＡＮＡ）や浅田真央（まお、中京大）ら国内外のトップスケーターたちが、華麗な演技を被災地に届けた。
「復興、東北のために、スケーターとして精いっぱいのことができるように頑張りたい」。前日会見でこう決意を口にしていた羽生は、震災の鎮魂歌「天と地のレクイエム」をダイナミックに滑った。
練習中に被災した羽生は直後に拠点リンクが使えなくなり、全国のアイスショーを回りながら練習した経験を持つ。試練を乗り越え、ソチ五輪で日本男子初の金メダルを獲得。今季は２戦連続で世界歴代最高得点を塗り替えた。７日には岩手県大槌町を訪問。現地で子供たちとも触れ合い、「僕自身も大きな力をもらった」と振り返った。
休養中の昨季に被災地を訪れて交流した浅田は「今度は私のスケートを見てもらえたらうれしい。心を込めて滑りたい」と「踊るリッツの夜」をコミカルに演じた。
全日本女王の宮原知子（さとこ、大阪・関大高）も「自分の演技を見て、少しでも元気になってもらいたい」との願いを胸に氷上を舞った。（田中充／ＳＡＮＫＥＩ ＥＸＰＲＥＳＳ）