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30年ぶり「チカコレ」舞台裏 男排除のしたたか戦略…撮り鉄も殺到の仰天

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30年ぶり「チカコレ」舞台裏 男排除のしたたか戦略…撮り鉄も殺到の仰天

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 7月7日の七夕に、大阪市営地下鉄御堂筋線で開かれたファッションショー「チカテツコレクション」。30年ぶりとなる今回の“チカコレ”には、40組80人の募集に500組が殺到する人気ぶりだった。ただ、参加できるのは女性だけ。さらにショーが繰り広げられる車両には“目隠し”がされて駅ホームからは見物できないなど、閉ざされたショーだった。これではPR効果も半減だと思うのだが…。(木村郁子)

 同性でもどきどき

 ショーの“舞台”となる列車は、なかもず駅検車場から出発。新金岡駅を過ぎたあたりで車内灯が消えた。さあ、ショーの始まりだ。

 軽快なポップスにあわせて、チューブタイプのバンドゥビキニなど最新の水着を身にまとったモデルたちが颯爽(さっそう)と登場。腰に巻いたパレオをモデルが歩きながらさっと取り払うと、車内からどよめきがあがった。セクシーな装いに、同性でありながらどきどきした。

 ボサノバ調の曲に変わって、今度は浴衣のショーがスタート。白地に紺の定番の古典柄をはじめ、スニーカーで着こなせるライトブルーのアバンギャルド浴衣、かわいいハート柄の黒と赤の浴衣…。しっとりとした大人の色気を感じさせる装いから、若い女の子たちに向けたものまで網羅している。

 トリを飾ったのは、元横綱千代の富士(現・九重親方)の娘で、人気モデルの秋元梢。イエローとグリーンの大柄の花があしらわれた個性的な浴衣姿で登場すると、車内から歓声が響いた。

 窓は目隠し、男子禁制…なぜ?

 ショーは、大阪市営地下鉄開業80周年、大丸梅田店開店30周年を祝う記念イベントとして開催。揺れが少ない最新車両を使い、10両編成の4号車と5号車を会場とした。それはいいのだが、今回のチカコレには2つの疑問点があった。

 ひとつは、ホームから見えないように窓には遮光ブラインドが下ろされ、開閉扉のガラスも完全に目隠しされていたこと。通過する駅のホームからちらりとでものぞければ、より多くの人が楽しめ、話題もさらに広がったと思うのだが…。

 これには安全上の理由があった。「ホームで大勢の人が車両近くに殺到したら危険」ということで、大阪府警本部から指導が入ったのだという。

 それは納得として、もうひとつひっかかったのが、女性限定だったことだ。ファッションショーをよく見に行くような若い女の子たちは間近でモデルや最新の装いを見られて満足するだろうが、「男性目線」も必要なのでは。女性限定なうえに会場にも目隠しと、閉ざされた空間で行われるショーに、主催者としてどんなメリットがあるのだろうか。

 大阪ならではしたたか商魂

 実は、この「閉ざされた空間」ならではのメリットがあるのだという。

 隠されたら逆に見たくなるのが、人間の心理。開催前からメディアに多数取り上げられたこともあり、ショーのニュースを目にした人には、「ああ、あれだったのか」と興味を持ってもらえる。

 また、御堂筋線が臨時電車を出すことはめったにないとあって、「臨時」のプレート目当てに、「撮り鉄」が各駅に集まるという思わぬ副産物もあった。

 大丸梅田店広報担当の樋口陽子さんは「水着や浴衣は、どの百貨店で購入してもブランドなど大差ないのが実情です。他店に対抗し、話題を振りまくことでインパクトを与えられたのでは」と話す。車内では参加者と秋元さんとの撮影会も行われたが、写真の受け渡し場所は同店で、という商魂のたくましさも見せつけた。

 民営化みすえてコラボ

 一方、「将来の民営化への布石です」と話すのは、大阪市交通局広報担当の永澤良太さん。「民間企業とコラボレーションすることで、地域の活性化を図ることも目的のひとつ。今後も他企業との共同企画があれば考えていきたい」という。

 ちなみに、30年前にコレクションが行われたのは、昭和58年5月20日。大丸梅田店開業の約1カ月後だった。当時、トレンドと下着ルックをみせるショーは斬新で、多くの人を驚かせたに違いない。

 パリコレクションなどは、一部の顧客やバイヤー、プレスなど限られた人間だけが実際に目にすることができる閉ざされた世界。“今すぐ着られる”リアルクローズのファッションショーは、女の子のお祭りやイベントとして、これからも支持されていくだろう。

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