フォト特集
異界に舞い下りた奇跡の饗宴 「和魂漢才」に身震える 国東で深化したダイニングアウト
◆数々の趣向で幻想的なムードに
レクサスは海岸線と別れ、うっそうとした山道へ。180度のコントラストがまた楽しい。30分ほど走っただろうか、着いた先はとある寺院の前だった。しかし本殿らしき姿は見当たらない。
ゲストら一行は、延々と続く300段の石段を黙々と登り始めた。額にうっすらと汗が浮かび始める。
「えっ」。驚くゲストの目の先に、ほら貝を片手の白装束の修験者がたたずんでいた。いたずらっぽい笑みを浮かべ、「ようこそ。さあ、あともう少しです」と先を促す。
どこかで見たような…。「あっ、中村さんでしょ」と笑い声がこだまする。実は今回のイベントのホストで美食評論家、中村孝則さんの粋な演出の一つだったのだ。
中村さんに迎えられてたどり着いたのは、六郷満山随一の歴史を誇る古刹、「峨眉山 文殊仙寺」。
国東半島は両子山という岩山を中心に6つの山稜に分かれ、その寺院群の総称が六郷満山だ。大陸から伝わった仏教と日本古来の神道が融合し、山岳信仰とも混淆して独自の文化が花開いた。そして今年が開山1300年という節目にあたる。
ディナー会場に案内されるとばかり思っていた一行に、また一つ趣向が用意されていた。特別に導かれた奥の院で、副住職による護摩焚き供養が始まった。あたりはもうほの暗く、一切の煩悩を焼き尽くす火柱が天井まで届かんと燃え上がり、幻想的な雰囲気を醸し出す。読経に耳を傾け、静かに手を合わせるゲストもどこか神妙な面持ちだ。
◆「ここでディナー?」 目を丸くするゲスト
厳かな雰囲気で送り出された一行は今少し石段を登った。そしてまたも驚き、わが目を疑うことに。