【木下隆之の試乗スケッチ】アルファロメオ ステルヴィオ 「悪魔の梯子段」が異名のSUV
更新走り自慢のコンパクトスポーツをわざわざ日本から空輸して挑んだのだが、オーバーヒートとブレーキのフェードに悩まされた。勾配はきつく、名ばかりのスポーツカーではパワー不足を晒すことになる。下りは下りで、ブレーキが音をあげる。特徴的なのは、登りはひたすら登りのみ。下りはやすむことなく下りが連続する。エンジンにもブレーキにも酷な環境なのだ。
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しかも、短い直線と直線をつなぐヘアピンカーブは、1速ギアの守備範囲。超タイトなのだ。端から眺めると、巨人が山脈に爪を立てたようである。悪魔の梯子段の異名も相応しい。ステルヴィオ峠はそんな、走り屋を魅了しながらも強く拒絶する難所なのである。
◆自信裏付けるデータもズラリ
そう、そんな世界的な難所の名を、SUVに命名したことが驚きなのだ。百歩譲ってスポーツカーならばよしとしよう。だがステルヴィオは背の高いSUVである。よほどの自信がなければ、ステルヴィオとは名乗れますまい。
一抹の不安を抱えながら、試乗プレゼンテーションに耳を傾けていると、自信を裏付ける刺激的なデータが次々に僕を驚かせた。
「前後重量配分50:50」
「直列4気筒2リッターターボ」
「最高出力280ps」
「最大トルク400Nm」
「前後可変トルク4WDシステム」
「常用FR駆動」
「軽量カーボン製ドライブシャフト」
「車両重量1810kg」
「ロール角度約50%」
「ロール軸ジュリア(アルファロメオのセダン)と同一」
「空気抵抗係数0.30」
「最大横加速度0.95g」
「ステアリングギアレシオ12:1」
「最大制動距離(100-0km/h)37.5m」
スポーツカーの紹介と見まごうばかりの攻撃的な文言である。















