【木下隆之の試乗スケッチ】“先進技術の塊”アウディA8、デジタルとアナログの見事な融合
更新コクピットに座り、ハッとしたのはやはり、タッチスクリーン式のインターフェイスである。カーナビゲションがあるその位置のモニターは10.1インチ、その下に8.6インチのロアモニターが備わる。ドライバーが正対するメーター内にも、12.3インチのモニターが組み込まれるという周到さだ。
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いつかどこかがやるぞやるぞと身構えていたが、やはり先に攻めたのはアウディだったというわけだ。レクサスもBMWもタッチスクリーン化は進めているが、ここまで大胆に徹底してタッチスクリーン化したのは初めてだ。「ほらね、アウディらしいね」。
なれぬ操作にアタフタしながら、ついついほくそ笑んでしまった。
若者じゃないと使いこなせない?
インパネの上下のモニターは、文字入力までできるという。イグニシッョンをオフにしていれば、起動前のスマホと同じでほとんどブラックアウトされたスクリーンである。それがひとたび起動すれば、様々な情報が浮かび上がる。階層をめくっていくと、ほとんどの操作がそこで完結できるという。短時間のドライブでは、機能のわずかしか体験できなかったのはスマホで経験済みだ。これは若い者じゃないと使いこなせないだろうな、と諦めに似た気持ちになったのも事実。それほど現代的なのである。
もちろん無機質なタッチスクリーンではなく、スワイプやスクロールでは微振動が指を刺激したり、点滅したり点灯することで作動を確認できるのだが、それすらも慣れが必要だろう。ドライバーが運転に支障をきたさないものかと不安になった。少なくとも慣れるまでは僕も、走行中の操作はするものではないぞと諦めた。






