製造業で減産の動き相次ぐ 工場閉鎖、リストラ加速…回復見通し立たず
2012.10.13 07:10更新
政府は国内景気が後退局面に入っていることを認めたが、製造業ではすでに減産などの動きが相次いでいる。裾野が広く関連産業への影響が大きい9月の自動車販売は1年ぶりに前年同月比でマイナスとなり、一部で生産調整が始まっている。半導体や家電も世界的な景気減速を受け、足元の生産を縮小。工場の閉鎖や人員削減などリストラも加速している。円高などの利益圧迫要因も重なり、回復の見通しは立っていない。
自動車の生産減は、9月末にエコカー補助金が終了したことが主因だが、ある自動車大手幹部は「補助金はもともと7月末に底をつき終了するとみていたが、9月末まで続いたのは売れてない証拠」と補助金効果そのものも景気低迷で減速したとの見方を示す。
ダイハツ工業は9月から生産調整に入っているが、10月に入って工場の休日を増やし、来年2、3月の繁忙期に操業度を高める計画だ。他社も補助金切れによる減産に入っているとみられ、景気を支えていた自動車の息切れが目立つ。
半導体や家電各社も、減産の動きが止まらない。東芝は四日市工場(三重県四日市市)で生産しているデジタルカメラなどに使われる半導体を、7月から従来比で3割減産している。生産調整はリーマン・ショック後の2009年以来、3年ぶりだ。
半導体工場を縮小する動きも相次ぐ。経営再建中のルネサスエレクトロニクスは今後3年以内に山口県宇部市の工場など10拠点を売却または閉鎖する方針だ。東芝も北九州市の半導体工場など3拠点の生産を9月に停止した。
薄型テレビなどデジタル家電でも生産縮小の動きが拡大。シャープは今年度の液晶テレビ販売を前年度比35%減の800万台に減らす計画だ。世界的な需要の鈍化や国内の家電エコポイント制度の終了で内需が激減。これに伴い、栃木県矢板市のテレビ組立工場も今後縮小する方針を打ち出している。
生産減に伴う人員削減も相次ぐ。ルネサスは9月に早期退職を募集したところ、応募者はグループ従業員の約2割にあたる7511人に達した。シャープも11月に国内で、約2000人の早期退職を募集する計画で、製造業の縮小均衡は続く。
月例経済報告では今後の景気について「弱めが続く」としているが、政府が掲げる「脱デフレ」どころか、深刻な不況に突入する懸念も出てきそうだ。