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「強い経済を取り戻す」安倍内閣始動 新閣僚に聞く

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

「強い経済を取り戻す」安倍内閣始動 新閣僚に聞く

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麻生太郎副総理・財務・金融担当相  デフレ脱却と経済再生を掲げる安倍晋三内閣が本格的に始動した。大胆な金融政策と機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の実行で「強い経済を取り戻す」と号令をかける安倍首相の下、取り組むべき政策課題を主な経済閣僚に聞いた。

 麻生太郎副総理兼財務・金融相

 日銀との政策協定 決定会合までに

 --政府と日銀のアコード(政策協定)の中身はいつまでに固めるのか

 「(安倍晋三首相に)日銀総裁との窓口は私とされた。(政策協定の締結は)政府がきちんと財政、経済政策をやっていくのが条件で、補正予算が組み上がった後から来年1月21、22日の(日銀の)次回金融政策決定会合までの間がめどになる」

 --政権公約の2%の物価目標は政策協定に盛り込むのか

 「まだ正確に詰めたわけではない。2%という数字だけが踊り始め、物価は2%上昇しているのに給料が上がらないというケースは断固避けたい。(政策協定は)日銀も納得してもらえるものでないと意味がない」

 --景気を底上げするために編成する2012年度補正予算案はどのくらいの規模が必要か

 「デフレギャップ(需要不足)は16兆円とか18兆円とかいわれている。(規模は)3兆円、4兆円程度のものではないことは確かだが、これから各省庁が出してきた要求を積み上げないと、いえるものではない」

 --景気対策の中身は

 「雇用が生まれるような土木関係の公共工事、例えば国民の安心と結びつけるなら学校の耐震化などが考えられる」

 --来年3月で中小企業金融円滑化法が切れる。対応は

 「延長はしないが、急にやめてしまうと倒産が増える。個々の企業にあった形で対応する」

 --円高対策は

 「これまでの円高は行き過ぎな面もあったが、今はじわじわと円安になっている。妙な形で(為替)介入することはないが、投機的に円が動くようなときには、介入という手段を使うこともある」(本田誠)

 甘利明経済再生・経済財政担当相

 物価目標 達成時期は「中長期的」

 --復活する経済財政諮問会議の民間議員に選んだメンバーへの期待は

 「これまで以上に機能を発揮するため、今の日本が抱えている課題は何かという感覚をリアルタイムで共有できる現役世代のメンバーにした。諮問会議は経済・財政の危機突破を図る司令塔となる」

 --政府と日銀の関係は

 「日銀の独立性を否定するつもりはない。国家を構成する一員として、日本が直面する危機感を共有できる態勢をつくっていきたい」

 --物価上昇率の目標を導入するにあたり、達成までの期限を定める考えか

 「時期について『何年何月』と示している政府と中央銀行は世界中にない。『中長期的』という表現になるだろう。政府・日銀がタッグを組んで目標を共有し、危機感をもって取り組んでいく姿が市場に理解されることが大事だ」

 --2014年4月からの消費税増税の是非を決める判断基準は

 「13年10月に判断する際には4~6月期の(国内総生産の)数字が中心となるが、数字がいくつなのかより、経済が好転に向かって動きつつあると総合的に判断できることが大事だ」

 --環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は来夏の参院選までに対処方針を決めるのか

 「もう少し切迫したスケジュール感を持っている。日米首脳会談で米国が言及しないことはあり得ない。首相がどう対応するのか、官邸は早急に対処しないといけない。聖域なき関税撤廃を前提とした交渉では日本は行動を起こせない。期間は短いが、前提条件に対し(米国が)何らかの行動をとれるかで(日本の対応が)定まってくる」(田村龍彦)

 茂木敏充経済産業相

 原発再稼働、廃炉で国の役割果たす

 --エネルギー政策はどう変わる

 「電力の安定需給の確保が基本的なスタンス。原子力は安全第一で取り組みたい。今後3年間は省エネ、再生可能エネルギーの最大限の拡大を図る」

 --原発の再稼働はどうする

 「原子力規制委員会の専門的な審査で安全と認められた場合に限り、再稼働を進める。国が再稼働に最終的な責任を持つのは当然のことだ」

 --電力供給の状況は

 「震災が起こり多くの原発が停止した。火力発電が占める割合は現在約9割にのぼり、このうち液化天然ガス(LNG)火力が5割ある。当面はLNGや石炭といった火力発電への依存が避けられない」

 --温室効果ガスを増やす結果につながっている

 「高効率の施設を導入していかなければならない。環境や経済効率性、安全性を考慮した電源構成とし、電力の安定供給とともに地球温暖化問題への対応も図っていきたい」

 --東京電力福島第1原発の廃炉をめぐる国の関与は

 「廃炉費用は東電が自らの資金で行うのが基本。東電は9000億円の廃炉費用を現在引き当てているが、廃炉の総額を見積もるのは困難だろう。しかし廃炉の加速は重要で、補正予算の活用も含め、研究開発にかかる施設整備などで国が最大限の役割を果たす必要がある」

 --電力システムの改革はどうする

 「電力自由化の推進と送配電部門の中立性の向上、広域系統の運用拡大の3点で改革を進めたい。規制料金の撤廃や送配電部門の分離はどこまで、いつまでにやるのかを今後検討していく」(鈴木正行)

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