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アベノミクスで高額商品が好調 百貨店売上高3カ月連続増
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■マンション6年ぶり5000戸
安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による景気回復期待から、富裕層を中心に購買意欲が高まっている。3月の全国百貨店売上高は株高の進展による資産効果などでブランド品や腕時計などの売り上げが前年比2桁前後伸びた。全体の売り上げは3月もプラスになり、既存店ベースでは約7年ぶりに3カ月連続で前年を超えた。同月の首都圏のマンション発売も注目の大型物件が即日完売するなど好調に推移、6年ぶりに5000戸を超えた。
日本百貨店協会が18日発表した3月の全国百貨店売上高は前年同月比3.9%増(店舗数調整後)。これで3カ月連続の前年超えとなったが、これは2005年9~12月の4カ月連続プラス以来だ。上げ幅は東日本大震災の反動増を除くと5年9カ月ぶりの高水準。株高の進展による資産効果や景気回復への期待感を背景に、高級ブランドを含む「身のまわり品」(9.2%増)や高級腕時計などの「美術・宝飾・貴金属」(15.6%増)が急伸。春物衣料を中心に婦人衣料、紳士衣料も大幅増となった。
地区別でも、主要10都市が5.6%増と全体を大きく牽引(けんいん)したが、10都市以外の地区も平均0.7%増と4カ月ぶりのプラスで「全国的な改善傾向」(同協会の井出陽一郎専務理事)が鮮明となった。
井出氏は今後について、「レジャー人気やファッションスタイルの変化など新たな消費傾向も生まれている」と分析。13年の売上高は「昨年の数字を上回るのではないか」との認識を示した。
一方、マンション販売も好調で、不動産経済研究所(東京都新宿区)が18日発表した3月の首都圏(1都3県)のマンション発売戸数は48.4%増の5139戸。3月として2007年以来6年ぶりの5000戸台となった。
同社の松田忠司主任研究員はアベノミクスを背景とした「住宅ローン金利の低下とその後の先高感で消費者には『今が買い時』という心理が働いている」と分析する。3月の契約率は好不調の基準(70%)を上回る82.1%。80%超は昨年8月以来7カ月ぶりだった。