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サントリー食品の上場承認 7月3日予定、3300億円調達見込む

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サントリー食品の上場承認 7月3日予定、3300億円調達見込む

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 東京証券取引所は29日、サントリーホールディングス(HD)の清涼飲料子会社、サントリー食品インターナショナル(東京)の株式上場を承認したと発表した。

 7月3日に東証1部に上場する予定で、東証では今年最大の上場案件。サントリーHDは非上場のまま企業文化の維持を目指す一方、グループの中核企業の上場で財務体質の強化を図る。「二兎を追う」変則的な形だけに、一般株主の声をいかに経営に反映させるかといった企業統治(ガバナンス)の在り方が課題となりそうだ。

 上場にあたって9300万株を新規発行。1株当たりの想定発行価格は3800円で、新株発行での資金調達額は約3300億円となる見通しだ。さらにサントリーHDが保有株の一部を放出し、約1000億円の資金を調達する。

 サントリー食品インターナショナルは茶飲料「伊右衛門」や缶コーヒー「ボス」などを手掛け、2013年12月期連結決算は売上高1兆1300億円、最終利益350億円を予想。上場時の時価総額は約1兆2000億円と見込まれ、キリンホールディングスに次ぎ、アサヒグループホールディングスと肩を並べる。

 サントリーHDは創業家関係者が約9割の株式を保有し、グループの上場企業は東証2部上場の外食子会社ダイナックに限られていた。上場後もサントリー食品の株式の約6割はサントリーHDが保有する見込みだ。

 サントリーの関係者は、非上場のメリットを「挑戦し続けられる社風を維持できる」と話す。ビールの「ザ・プレミアム・モルツ」やハイボールなど、創業者の鳥井信治郎氏が唱えた「やってみなはれ精神」を生かしたヒット商品は少なくない。

 だが、国内需要の縮小で海外事業の拡大が不可欠となる中、M&A(企業の合併・買収)などの資金調達を主に銀行からの借り入れに依存。2008年12月期末に1048億円だった実質的な有利子負債は、11年12月期末には3748億円に膨らんだ。

 サントリー食品が担う飲料・食品事業は12年12月期に連結営業利益の約70%を稼ぎ出しており、今後の海外展開も同事業が中心となる見通し。大和総研の遠藤昌秀主任コンサルタントは「今回の上場は強みを重点的に伸ばす有効な戦略」とみる。

 ただ、企業文化を優先させた上場戦略は、創業家の意向を重視する親会社と一般の株主との間でズレが生じる懸念を抱えるだけに、より透明性の高いガバナンスが求められそうだ。

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