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海外情勢
民営航空の設立解禁 成功への3つの鍵 地方路線、低コスト、産業戦略が重要
配信元:中国新聞
更新今年5月に民営の航空会社設立が6年ぶりに解禁された中国の航空業界。2004年に設立された格安航空会社(LCC)の春秋航空などが順調に市場を拡大するなど、民営航空業界の発展が期待されているが、航空会社設立の成功の鍵はどこにあるのだろうか。
第1に、政府管理部門も期待する地方路線を開設することだ。地方空港の相次ぐ開港は、民営航空会社が市場開拓を実現する好機となっている。
今年6月中旬、河北省張家口と貴州省卒節で、下旬には江西省宜春でも新空港が開港した。3空港とも初便は中小の民営航空会社が投入された。
ただ、100席未満の小型機の運航に適した地方路線に、100~200席クラスの旅客機が運航して空席率が高くなるケースが多い。06~10年には91%以上に上っていたという。中国民用航空局の李家祥局長によると、一部地元政府や企業は、域内や近隣地域との路線開設を前提に申請手続きをしながら、開業後は地方路線より大都市への就航などを好む傾向があった。このため同局は、航空会社に対する規制を厳格化しているという。
第2に、低コスト戦略を進め、LCCの道を歩むことだ。春秋航空は当初、上海虹橋空港を拠点として、リースした3機のエアバス320で運航を開始した。そして、他社と差別化した市場戦略に成功した現在は、資産総額70億元(約1135億4000万円)、旅客機36機、運航拠点4カ所、就航路線数76路線の大手に成長。輸送旅客数は延べ3600万人、座席利用率は95.8%、旅客満足度は92.6%に達している。
第3に、産業チェーン全体で戦略を練ることが重要だ。ハイリスク・ローリターンで投資回収期間も長い航空事業は、資金繰りが容易ではなく、航空事業単独では顧客確保も安定しない。物流事業や旅行業と一体化することで、問題は解決されるというわけだ。
例えば、春秋旅行社が設立した春秋航空は設立当初、旅行社の顧客を主要旅客として低コストモデルを確立。宅配便大手の順豊速運が設立した順豊航空も、宅配事業の一環としての航空輸送を担い、グループ全体で利益を上げている。
新たに認可された航空会社も例外ではない。瑞麗航空は親会社の景成集団が旅行、ホテル経営、不動産開発などを展開。青島航空は、大株主の南山集団がエネルギー、金融、旅行業を営み、ビジネスジェット関連の事業も手掛けている。現在、会社設立を申請している航空会社の多くもまた、物流関連企業によるものだという。(経済日報=中国新聞社)