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海外情勢
タイでエンタメ・メディア急成長 背景にスマホ 17年にはTV広告逆転も
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タイでは今後、携帯端末などを使ったインターネット支出額が拡大し、エンターテインメント・メディア市場での年間支出額が急増する見通しだ。米コンサルティング会社プライスウオーターハウスクーパース(PwC)によると、2013年のエンタメ・メディア市場の支出額は97億ドル(約9660億円)となる見込みで、今後5年間は平均11.3%の成長を維持、17年に148億ドルに達するという。現地紙バンコク・ポストが報じた。
5年間で約50億ドルという巨額の支出増を牽引(けんいん)するのは、ネットの利用拡大だ。13年の同市場の支出額ではテレビ広告が23億ドルで首位、通信費などを含むネット関連支出は21億ドルで2位の見込みだが、17年にはネット支出が47億ドルとなり、31億ドルのテレビ広告を逆転して首位に立つとみられている。
この2分野に加えて書籍出版が16億ドル、新聞出版が14億ドルで続き、17年のタイのエンタメ・メディア市場での4本柱を形成しそうだ。しかし、17年までの年平均成長率をみると、ネット支出が24%増と、テレビ広告の7.7%増、書籍出版の6.7%増、新聞出版の4.6%増を大きく引き離している。
ネットの利用拡大の背景には、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット型端末など、携帯端末の普及加速がある。PwCは、タイ国内で携帯端末などで利用する無線ブロードバンド回線の加入者数が12年は500万人だったとしたうえで、17年までには3000万人を突破すると予想する。
タイは、国際通貨基金(IMF)が今年7月に入って13年の国内総生産(GDP)の成長率見通しを4月時点の5.9%から4.75%に引き下げるなど、景気の先行きに対する懸念が広がっている。しかし、PwCの広報担当者は「タイ国内のネットの利用増加と携帯端末の普及拡大は長期にわたって急ピッチで進み、エンターテインメント・メディア市場の成長を牽引(けんいん)する」と述べ、タイ経済が減速しても同市場の拡大基調は揺るがないとする見解を示した。
アヌディット情報通信技術相によると、昨年末のタイ国内のネット利用者数は2600万人で総人口比の普及率は37%。スマホの低価格化やブロードバンド回線の充実などが要因で、今年は一気に倍増する可能性もある。(シンガポール支局)