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TPP交渉会合 関税撤廃、知財など難航 日本、国益反映へ戦略見直し
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日本が初参加した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉会合では、日本の交渉団が交渉の進捗(しんちょく)状況の把握に全力を上げている。日本にとって関心が高い農産品や工業製品の関税を扱う「市場アクセス」や「知的財産」などの分野では参加国の利害が対立して協議は難航しているもようだ。交渉団は国益を反映させる余地があるとみており、8月下旬の開催に向け調整している次回会合までに交渉戦略をまとめる。
15日に始まった今回の交渉会合では、交渉対象の全21分野のうち13分野の作業部会が開かれ24日に終了した。日本が参加できたのは知財など5分野で、このうち知財や「政府調達」「原産地規則」の3分野は交渉に目立った進展がないとみられる。
知財は、著作権や特許権の保護を議論。ディズニーアニメなど有力ソフトを抱える米国が著作権の保護期間として作者の死後70年を主張。巨額の使用料を長期にわたり支払うことに反対する他国は50年を求めている。
公共事業の入札や手続きのルールを作る政府調達は、外国企業にどこまで入札を認めるかで利害調整が進んでいない。
各国とも自国産業を保護したい思惑があり、自国企業を優遇する裁量の大きいベトナムやマレーシアは特に慎重姿勢が強い。
原産地規則は、原材料から完成品までの生産工程がいくつかの国にまたがる産品を、どこまでTPP参加国の輸出品として関税撤廃の対象とするかが課題だ。縫製品では、糸から完成品まで域内で製造された産品のみを主張する米国と、原材料の多くを域外の中国から輸入しているベトナムが激しく対立している。
今回、最大の焦点である関税撤廃を話し合う市場アクセスの作業部会に日本の参加は間に合わなかったが、「各国の利害が複雑に絡み合って交渉は進んでいないようだ」(交渉筋)。
日本がコメ、麦、牛・豚肉など重要5分野の関税死守を掲げる農産品では、牛肉や乳製品に強みを持つオーストラリアとニュージーランドが関税撤廃を強硬に主張。カナダは競争力の劣る乳製品、米国は砂糖の関税維持を訴えているとみられる。
協定の原案文書「テキスト」では難航分野について各国の主張を並べているだけで、「協定案にまでまとめるのはまだ時間がかかる」(交渉筋)。日本が自国に有利な形で交渉を主導できるかは、水面下の2国間交渉で多数派工作に成功できるかにかかっている。(コタキナバル 会田聡)