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中薬薬材 農薬残留や偽造発覚で不信感 小規模業者乱立で専門性低下

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

中薬薬材 農薬残留や偽造発覚で不信感 小規模業者乱立で専門性低下

配信元:中国新聞

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 「中薬薬材を硫黄燻蒸(くんじょう)処理していたら、側にいたネズミが死んだ」との話題がネット上で広まったことを受け、中国では中薬薬材市場に再び注目が集まっている。専門家は「中国の伝統文化ともいえる中薬薬材が、農薬残留や偽造といった問題の発覚で、信用を失いつつある」と警告している。

 こうした現状下、中国国家食品薬品監督管理局は薬品の違法生産、違法経営の取り締まりを目的とした潜入捜査チームを派遣し、安徽省亳州市の中薬薬材市場で、違法販売の現場を突き止めた。

 同市場で購入した「蔵紅花(サフラン)」は、水に浸すとすぐに脱色現象が起き、顕微鏡で調べると紙で作られた造花であることが判明。つまり、普通の紙を着色し、油分を加えただけの“偽”蔵紅花が1キロ当たり8000~9000元(約12万8000~14万4000円)で売られていた。

 さらに、海馬(かいば)、全蝎(ぜんかつ)、紫河車(しかしゃ)、●蛇(きじゃ)などの薬材では重量の水増しも発覚。山薬(さんやく)、天麻(てんま)、白芍(びゃくしゃく)、貝母(ばいも)など見た目が白い薬材では、硫黄燻蒸処理が日常的に行われている実態が明らかになった。

 業界関係者は硫黄燻蒸処理について、「中薬薬材の伝統的な保存方法である」と話すが、処理された薬材の硫黄含有量は基準値の数百倍にも上っていた。実際、「同市場の卸販売では、硫黄燻蒸処理されたものと、そうでないものという2つの価格帯が存在している」(業界関係者)という。

 こうした現状について、専門家は「市場は経営規模の小さい業者が乱立し、専門性は低下している」と指摘。関連法規が不十分であり、また薬典基準が統一されていない実態が市場管理を難しくしていると分析する。

 現在、偽物薬材の検出に関しては「薬品管理法第48条」に基づいた化学成分による判別方法が主流だ。しかし、薬材の持つ特殊性から、有効成分が明確ではないものも多く、鑑定を困難にしている。

 専門家は「潜入捜査チームが目にした問題以外にも、中薬製造の工業化がもたらした天然薬材の絶滅危機といった問題や、農薬の残留問題などがある」と指摘。栽培、加工、流通といった各過程の管理が多部門にまたがっている現状を受け、「問題の解決には統括する責任者が必要だ」と訴えている。(南方日報=中国新聞社)

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