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中国、人工降雨に補助金32億円 干魃防止と気温低下で農作物保全
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中国財政省によると、人工的な天候操作への補助金として、中央財政から1億9900万元(約31億9000万円)が投入されることが決定した。主に(記録的な高温が続き、水不足が深刻化している)南西部や中部における干魃(かんばつ)対策として、人工降雨の費用に使用されるという。中国国営新華社通信が伝えた。
同省農業司と中国気象局計財司は、各省や市の気象部門に対し、高温による干魃被害への対策強化を要求しており、人工降雨を適時実施することで干魃防止と気温低下を図り、農作物を守るよう指示している。
実際、中国では7月以降、南部を中心に連日高温が続いており、江蘇省、安徽省、上海市、貴州省、重慶市などでは例年より8割以上も少ない降水量を記録している。
このため、貴州省や湖南省、重慶市東南部、浙江省中部などでは、すでに中度から重度の干魃被害が出始めているという。
農業にとって、秋の収穫を控えた大事な時期であると同時に、生活用水や電気の使用量も上昇する今の時期、高温と干魃被害は深刻かつ長期的な影響をもたらす恐れがある。
こうした状況を踏まえて国務院(内閣)は関連部門に対して、早急な対策措置を講じるよう、複数回にわたって指示を与えてきた。
現在、各地域の気象部門はすでに行動を開始しており、7月30日には連日40度超えを記録していた浙江省杭州市の余杭区と臨安市で人工降雨を実施した。8月4日には江蘇省無錫市でも人工降雨が行われ、気温の引き下げ効果がみられたという。(上海支局)