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8月月例経済報告「デフレなくなりつつある」 基調判断据え置き

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8月月例経済報告「デフレなくなりつつある」 基調判断据え置き

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 政府は15日、8月の月例経済報告を発表した。物価動向について「デフレ状況ではなくなりつつある」とし、デフレ脱却に向けて前進したとの認識を示した。円安で食料品やエネルギー価格が上昇し、物価の下げ止まりにつながっていることを反映させた。ただ、賃金の改善が遅れる中、消費者の節約意識は根強く、消費の現場では価格競争が激しいまま。デフレ脱却の道筋はなお不透明だ。

 景気の基調判断は「自律的回復に向けた動きもみられる」とした7月の表現を据え置いた。物価動向は、7月の「デフレ状況は緩和しつつある」から2カ月連続で上方修正した。甘利明経済再生・経済財政担当相は15日の会見で、デフレ脱却に向けた進捗(しんちょく)度合いについて、富士登山にたとえて「7合目くらい」との認識を示した。

 生鮮食品を除く6月の全国消費者物価指数(CPI)が1年2カ月ぶりに前年同月比で上昇し、企業同士の取引価格の動きを示す企業物価指数も7月まで4カ月連続でプラスとなった。

 月例経済報告ではこうした現状を反映させたが、デフレ脱却に向けては「まだ道半ば」(甘利氏)。スーパーや外食などの価格競争は依然として激しく、食料やエネルギーを除いたCPIは6月で前年同月比0.2%下落とマイナスのままだ。

 デフレ脱却の定義について、内閣府は「物価が持続的に下落する状況がなくなり、再びそうした状況に戻ることがないこと」としており、その状況にはまだ遠い。

 明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストも「賃金が上がらない中で家計の節約意識は強く、今年、来年のデフレ脱却は難しい」と見る。

 政府が狙う早期のデフレ脱却には、賃金が増えて物価が上がっていくという好循環を生み出す政策を効果的に打ち出せるかがカギとなる。

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