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G20閉幕 成長軌道復帰へ政策協調 原油高、新興国減速を懸念
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ロシア西部のサンクトペテルブルクで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合は6日午後(日本時間同日夜)、世界経済が成長軌道に再び乗ることを目指し、各国が政策を協調することなどを盛り込んだ首脳宣言を採択し閉幕。米金融緩和縮小による資金引き揚げ懸念で厳しさを増す新興国経済や緊迫するシリア情勢を受けた原油高など市場混乱の懸念も示した。
経済成長に向け、投資や雇用拡大、各国の財政再建計画などをまとめた「サンクトペテルブルク行動計画」も公表。
最終日の6日は、欧州で問題となっている若年層の高失業率に対し、雇用の確保を推進することや、貿易での保護主義を抑える方策を議論した。
5日の夕食会では、議長国ロシアのプーチン大統領の提案を受け、シリア情勢を議論。経済をテーマとするG20首脳会合としては極めて異例の対応をとった。
経済問題では新興国経済が大きな焦点になった。新興国からの資金流出で、インフレや通貨安が起きている新興国の危機が「一気に再発しかねない状況が残っている」(プーチン大統領)との認識のもと、米国を念頭に自国の金融政策の変更による新興国への影響に配慮することを共同宣言に盛り込む。
このほか、中国などで問題となっている銀行を介さない金融取引「影の銀行(シャドーバンキング)」に対しては、各国が監視を強化することで一致。
日本からは安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相が出席。安倍首相は、2020年のオリンピック開催地を決定する国際オリンピック委員会総会に臨むため5日夜に会合の途中で、アルゼンチンのブエノスアイレスにたち、6日は麻生副総理が首相に代わって会合に参加した。(サンクトペテルブルク 平尾孝)