ニュースカテゴリ:政策・市況
国内
給与、雇用増実現へ…問われるアベノミクス真価 首相所信表明
更新
衆院本会議で所信表明演説を行う安倍晋三首相=15日、国会内 安倍晋三首相は15日の所信表明演説で、消費税増税とセットで打ち出した経済対策の実行により「強い経済を取り戻す」と経済再生に向けた意気込みを改めて強調した。ただ政権が目指す日本経済の再生とデフレ脱却の両立は、経済対策の効果が、雇用の増加や賃金上昇に結びつく「好循環」の実現抜きには難しく、政権の経済政策「アベノミクス」の真価が問われる。
政権が臨時国会での成立を目指す「産業競争力強化法案」などの経済対策の最大の目的は、企業減税で税負担が軽くなった企業が、その恩恵を雇用や賃金に反映させること。それにより、家計が改善し消費も持ち直すことで、企業収益が高まり、結果的に税収増、財政再建が進むという好循環を目指しているからだ。
安倍首相は、このサイクルを確立させる上で「雇用を拡大し、収入を増やす」ことを最重視している。減税で企業の税負担が軽減されても、雇用や賃金に恩恵が及ばなければ、持続的な景気回復は難しいためだ。
ただ、賃上げの可否は各企業経営者の裁量に委ねられている。そこで、安倍首相は賃上げの手立てとして、「政労使の連携」を強調。経済界と労働界で立ち上げた「政労使会議」を通じ、改めて賃上げを呼びかける姿勢を打ち出した。
とはいえ、賃上げのハードルは決して低くない。企業はコスト増につながる基本給などの引き上げに慎重だからだ。実際、基本給など所定内給与は8月までに15カ月連続で減少している。内閣府の試算では来年4月に消費税率が8%になれば全世帯の支払う消費税は6.3兆円増える。賃金が増えなければ増税に伴う消費への悪影響は避けられない。演説で「実行なくして成長なし」と繰り返した首相。企業が安心して賃上げできる経済環境づくりを含めて、企業の意識をどれだけ変えられるか。実行力がカギを握る。