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海外情勢
【データで読む】インド経済、マネー流出で正念場
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5月中旬以降、米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和第3弾(QE3)縮小観測に伴うリスクマネー引き揚げの動きから、通貨安が新興国を襲った。FRBはQE3縮小開始を先送りにしたため、足元では小康状態となっているが、実際にQE3縮小が開始されると、再び通貨安となる可能性も残る。注目されるのは、新興国の中でも通貨の下落幅が大きかったインドルピーの動向だ。
海外からインドへのマネー流入は、貿易や資本の自由化を推し進めた2000年代半ばから大きく加速し、インド経済の成長を後押しした。一方で、対外短期債務の拡大により、危機抵抗力の指標の一つである外貨準備に対する対外短期債務の比率は、通貨防衛の目安である1倍は上回っているが、低下傾向にある。インドは、一昔前よりも国際的なマネーの動きに翻弄されやすい体質へ変化していると言えよう。
景気低迷と物価上昇および通貨安への対応に悩まされるインド経済は今まさに正念場にある。政策当局の対応に加え、経常赤字解消への取り組みなど、構造問題への対応が今後の鍵となる。(編集協力=日本政策投資銀行)