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海外情勢
北京の老人ホーム「入居166年待ち」 介護産業支援政策、成果上がらず
配信元:中国新聞
更新中国国務院(内閣)がこのほど発表した「老人介護サービス産業の発展加速に関する若干の意見」では、介護産業が直面している問題点について、一連の支援政策が示された。
保険業界から(自宅を抵当に入れて銀行や保険会社から毎月決まった金額を受け取り、死亡後には家屋と土地が回収される)「以房養老」(リバース・モーゲージ)制度に対する政策内容に注目が集まったが、一般消費者の興味は依然従来の介護サービスにとどまっているようだ。
◆1万人以上待機
北京市朝陽区華厳北里にある第一社会福利院は、同市が運営する5大老人ホームの一つで、全国のモデル院にもなり、ベッド数は1100床を抱える。しかし、入居待ち人数は1万人を超えて、退去数が年50~60床であることを考えると、今すぐに予約をしても入居できるのは166年先となる計算となる。
関係者によると、同院の入居費は介護不要者で月額3000元(約4万8200円)前後、要介護者で4000元強という。介護不要者でも5000元かかる市営施設もあるが、入居はどこも気が遠くなるほど先になっている。
民間の北京仁愛敬老院でも「朝陽区の施設がいっぱいになったため、昌平区に分院を開設したが、予約は殺到している状態」(関係者)という。
このほか、高齢者向けの高級マンションも売れ行きが好調で、家賃が年間1万~2万元、保証金が部屋タイプごとに60万~160万元かかるという北京九華山庄養老酒店では「2棟のうち1棟は満員で、もう1棟も残りわずか」(販売担当者)。今後「以房養老」制度でライバルが出現しても、優位性では負けないと自信を深めている。
実際、「以房養老」は上海や北京、広州、南京などの各市で早くから試験導入され、政府部門や金融機関が主導してきたにもかかわらず、効果は上がらず棚上げ状態となっていた。
◆「以房養老」浸透せず
これについて幸福人寿保険の孟暁蘇・前董事長は、(1)「物権法」が施行される2007年以前は、(住宅用地の使用権年限である70年を経過した後、権利の扱いがどうなるのか不明確であったため)保険業界も二の足を踏んでいた(2)住宅価格の下落情報があり、保険会社のリスクが高かった-ことが原因と指摘する。
それでも「現金が定期的に手に入り、住宅にも住み続けられる上、不動産価値が上がればその分お金を多く受け取ることも可能」といったメリットを強調し、10年にわたり「以房養老」を支持し続けてきた孟前董事長。しかし、幸福人寿保険でさえいまだ関連商品の販売には至っていない。(証券日報=中国新聞社)