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市況
【トップは語る】カブドットコム証券社長・斎藤正勝さん(47)
更新
■NISAの主力は積み立て系商品
--インターネット証券は主要7社の4~9月の売買代金が過去最高を更新するなど活況が続いている
「少額投資非課税制度(NISA)の導入が決まり、『貯蓄から投資へ』といったムードもあって投資を再開する人も少なくなく、個人投資家の絶対数が増えている。当社では女性顧客向けの株式取引手数料を一律で1%優遇する『女子割』を7月から実施し、新しい顧客を獲得できている。株の現物取引における当社のシェアは今年度の第1、第2四半期とも過去最高を更新した」
--信用取引に関する規制が1月に緩和され、11月には空売り規制が緩和される
「これまでは空売りは機関投資家しかやってはいけないような空気があったが、やはり同じ条件でないと個人投資家も空売りを手掛けられない。当社ならば約2000の銘柄を空売りできる。株式市場は年末に向けて調整局面も出てくるだろう。投資には株価が上がれば上がったときの戦略、下がれば下がったときの戦略がある。空売りという手法を使い、個人投資家も機関投資家に負けないように戦略を練ってほしい」
--来年1月から始まるNISAの影響は
「足元では株式や投資信託の積立投資が増えている。100万円の資金を1回で使って買うよりも、20回に分けて5万円ずつ買った方がリスクは少ない。主力に育つのは積み立て系の商品だ。制度が始まった当初は大手証券の投信に投資家は流れるだろうが、将来的にはネット証券に来るとみている」
--三菱UFJフィナンシャル・グループの各企業との連携は
「メガバンクのグループでネット証券を持つのは三菱UFJだけ。当社をキラーコンテンツとして使ってもらうとともに、グループの総合力を生かしていきたい」
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【プロフィル】斎藤正勝
さいとう・まさかつ 多摩美大芸術卒。1989年野村システムサービス入社。99年日本オンライン証券(現カブドットコム証券)に移り、情報システム部長、取締役、最高執行責任者(COO)を経て2004年6月から現職。東京都出身。