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台湾フォックスコン、東南アジア進出 インドネシアに工場建設
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電子機器受託製造分野で世界最大手の台湾フォックスコン・テクノロジー・グループ(富士康科技集団)が来年、インドネシアに東南アジア地域で初となる工場を建設する。同社は製造コストが安価なインドネシアへの進出を目指して昨年から同国政府や地場企業と進出に向けた話し合いを続けてきたが、交渉はすでに大枠で合意に達したもようだ。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。
フォックスコンは米国のアップルやデル、フィンランドのノキア、カナダのブラックベリーといった顧客を抱え、大手携帯メーカーの電子機器製品の約4割を製造している。現在は中国やブラジルなどに製造拠点を置いているが、人件費の高騰と、それにともなう労働争議の激化を受けて東南アジア地域への進出を模索していた。
投資額や提携する地場企業名は明らかにされていないが、テリー・ゴウ最高経営責任者(CEO)は2014年と時期を明言したうえで、「ただ携帯電話を製造するための進出ではない。大規模な投資になる」と述べた。
同社はインドネシア産の鉄やすずを使用して携帯電話やタブレット端末といった電子機器を製造する方向で、同国内における部品などの供給網構築も目指す。今後は政府や地場企業と税制上の折衝や提携に向けた細部の調整を行い、年内にすべての交渉を終える予定だ。
同国内の提携候補企業には携帯販売大手、エラジャヤ・スワスンバダやたばこ製造最大手ジャラム・グループなどの名前が挙がっている。
12年にインドネシアのギタ貿易相が明らかにしたところによると、フォックスコンによる投資計画の総費用は工場建設費などを含めて50億~100億ドル(約4975億~9950億円)だった。
インドネシアは自国の技術水準向上につながる製造業の誘致に積極的に取り組んでいる。ヒダヤット産業相は「投資申請があれば速やかに手続きに入る」と述べ、同社の進出を歓迎する意向を表明した。(シンガポール支局)