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アベノミクス相場1年 日銀縛る「財政ファイナンス」への懸念
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日銀は今年4月に安倍政権の経済政策である「アベノミクス」の“第1の矢”として、大胆な金融緩和政策を導入した。今のところデフレ脱却に向け政府と協調し、金融緩和策は順調にみえる。だが、大量の国債を買い入れる「異次元」の金融緩和は政府の借金を中央銀行が穴埋めする「財政ファイナンス」にあたるとの懸念を常に抱える。「戦力の逐次投入はしない」とする黒田日銀にとって、次の一手は限られている。
衆院選で安倍氏は脱デフレをアベノミクスの柱に据え、日銀に大胆な金融緩和を要求した。だが、当時の白川方明(まさあき)総裁は「中銀の独立性を尊重してほしい」と政治介入を牽制(けんせい)。大規模な緩和で経済がかえって混乱する副作用を恐れた。
しかし、自民党の圧勝により白川日銀は政治に対する抵抗力を失う。安倍首相の要求に屈し、今年1月には消費者物価の上昇率2%を目指すインフレ目標を導入した。
さらに安倍首相が積極的な金融緩和論者の黒田東彦(はるひこ)氏(前アジア開発銀行総裁)を白川氏の後任に送り込み、政権と日銀の協調関係は決定的に強まった。安倍首相の期待に応え日銀は4月に資金供給量を2年で倍増させる異次元の金融緩和を導入。企業や個人の心理も大きく改善した。
日銀は足元の景気を「緩やかに回復している」(黒田総裁)と評価し、消費者物価指数(生鮮食品を除く)も9月まで4カ月連続で上昇している。
ただ、民間エコノミストの間では「2年で2%程度」という日銀の物価上昇目標に関して懐疑的な見方が多い。これに対し黒田総裁は「リスク要因に変化が出れば、必要な調整を行う」とし、追加の金融緩和も辞さない構えだ。
だが、国の新規発行額の約7割に相当する大量の国債を市場で買い入れる異次元緩和が市場で財政ファイナンスと受け取られれば、長期金利の高騰を招きかねず、日銀は追加緩和に動きにくい状況だ。
それでも物価目標から遠ざかれば、再び政府から追加緩和の圧力が強まりかねず、安倍政権と“蜜月”関係を続ける日銀は難しい判断を迫られる。