環境、労働、電子商取引 TPP「21世紀型」ルール構築へ 新興国が難色
更新シンガポールで開かれている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合で、「環境」「労働」「電子商取引」など新たな分野の通商ルール作りが大詰めを迎えている。TPPは、関税撤廃など従来の貿易・投資自由化に加え、新分野で「21世紀型」のルール確立を目指す。ただ、先進国並みのルールを域内全域に適用することに新興国が難色を示すなど新たな課題にもなっている。
「環境や労働は前例がない。知的財産や国有企業改革と並んでまだ議論が遅れている」。交渉関係者はこう指摘する。労働分野は、参加国が貿易拡大や投資呼び込みのため、労働基準法などを緩めて低賃金労働を可能にすることなどを防ぐのが狙いだ。
国際労働機関(ILO)が定める「児童労働の廃止」などを基に議論が進んでいるが、新興国にはルールの順守を確保する措置に抵抗があり、意見集約に至っていないもようだ。
一方、環境分野も貿易や投資を増やすために環境規制を緩めないことや、規制が貿易を妨げないようにする目的で議題に入れられた。米国が当初、漁業補助金の原則禁止を主張して日本などが反対する構図だったが、10月のインドネシアでのTPP会合時に「乱獲につながる補助金」に限る方向で調整して議論が大きく前進。ただ、「国際条約との整合性を取るのが難しい」(交渉筋)として事務協議が続いている。
労働、環境両分野は、「日本が結んだ経済連携協定(EPA)で一つの章として扱われたことがない。TPPが標準になる」(外務省幹部)。TPPは、インターネット販売への過剰な制限を防ぐルールを決める「電子商取引」も議論しており、10日までの閣僚会合で12カ国がこれらの新分野で合意すれば、将来のビジネスのあり方に影響を与えそうだ(シンガポール 会田聡)
