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【税制改正大綱】税の重み、生活ずしり 自動車は燃費次第、高所得者の負担増

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

【税制改正大綱】税の重み、生活ずしり 自動車は燃費次第、高所得者の負担増

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臨時閣議に臨む安倍晋三首相(中央)と閣僚=12日午後、首相官邸(宮崎裕士撮影)  17年ぶりに消費税率が引き上げられる来年4月以降、われわれの暮らしは「税の重み」を感じる場面が多くなりそうだ。12日にまとまった与党の平成26年度税制改正大綱では、軽自動車や燃費の悪い旧型車の増税策が盛り込まれた。高給取りのサラリーマンをターゲットにした増税策もある。国と地方で1千兆円を超える膨大な借金の削減に向け、多くの国民が負担増を余儀なくされる。

 ◆自動車は負担増も

 第一生命経済研究所の試算によれば、消費税率が8%になると、年収400万~450万円の4人家族の税負担は食費などの負担増で年6万5千円増える。ただでさえ家計が圧迫される中、消費税増税によって新車購入時の税負担は大きく増す。このため26年度税制改正では、購入時に課税される自動車取得税について26年4月から税率を普通自動車で現在の5%から3%、軽自動車は3%を2%に下げ、税負担を減らすことを盛り込んだ。

 ただ、消費税増税分(3%)と取得税減税分をトータルでみると、自動車購入時の税負担は普通自動車で現在より1%、軽自動車は2%重くなる。増税感の解消のため燃費の良い車を購入した場合のエコカー減税を拡充し、燃費が良ければ負担は今と変わらない仕組みとするが、対象外の燃費の悪い高級車などの購入時負担は大きく増す。

 車の重量に応じて車検時に課税される自動車重量税も来年4月から燃費次第で税負担が変わる。燃費の良い車に対しては2回目の車検時の減税幅を現行の50%から60%に増やすなどエコカーほど、減税の恩恵が高まる。一方、新車登録から13年超の燃費の悪い旧型車は現在の5千円から400~700円高くなる。

 27年4月以降は軽自動車保有の負担がぐっと重くなる。年1回課税される軽自動車税の新車購入後の税額が現在の1・5倍になるためだ。ただ、既に保有している軽自動車の税額は据え置き、27年3月末までに購入すれば税額は今の7200円のままだ。軽自動車の新車購入後の負担増を避けるには、消費税率5%時点の26年3月末までの購入、納車が得策といえそうだ。

 ◆高給取りも増税

 重税感は高所得者の肩にものしかかる。年収の一部を必要経費とみなし非課税にする「給与所得控除」が見直されるためだ。現在は年収1500万円超のサラリーマンには一律で245万円の控除が認められているが、この年収基準を28年に1200万円超、29年からは1千万円超に下げ、控除額を230万円、220万円にそれぞれ減らす。これに伴い所得税と住民税が増え、29年から夫婦と子供2人の4人家族で年収1200万円の場合は年3万円、1500万円だと11万円の負担増になる。

 高所得者に多くの税金を払わせる仕組みはほかにも。27年からは相続税と課税所得4千万円超の所得税の最高税率がいずれも5%上がる。消費税には低所得者ほど税負担が重くなる逆進性があるため、来年4月の税率8%への引き上げ時には、高所得者にも応分の負担を課そうという狙いだ。

 半面、中低所得者の消費税増税後の負担は和らぐ可能性がある。来年4月以降、年収510万円以下を対象に住宅取得時に最大30万円の現金を配り、住民税非課税世帯に1人1万円を現金給付する仕組みも設けた。ただこれらの対策は一時しのぎで、今後も続く保証はない。

 生活必需品などの消費税率を低く抑える軽減税率は導入のメドが立っていない。消費税率10%に向け中低所得者対策が見えないまま、増税議論だけが先走っている。(今井裕治)

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