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【太陽の昇る国へ】都知事選の争点で脱原発は「愚」

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

【太陽の昇る国へ】都知事選の争点で脱原発は「愚」

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東京都知事選で細川護熙元首相(左)の支援を表明する小泉純一郎元首相=14日、東京都港区  □幸福実現党党首・釈量子

 --19日、米軍普天間飛行場移設が争点となった沖縄県名護市長選で、移設に反対する現職市長が勝利しました

 国の安全保障政策が、一地方自治体の首長の意向に振り回されるようなことがあってはなりません。香港の新聞によると18日、中国初の国産空母の建造が大連で始まったことを遼寧省トップが明らかにしたばかりです。日米同盟を強化し米軍による抑止力の維持は欠かせません。辺野古への移設反対は日本国全体の民意では断じてないですから、政府は日本の国益のために、移設作業をしっかりと推進すべきです。

 --東京都知事選では、元首相の細川護煕氏の出馬が話題となっています

 細川氏は脱原発を争点としようとしていますが、国家運営の根幹にかかわるエネルギー政策を地方選挙で問うこと自体、不見識も甚だしいと言わざるを得ません。「脱原発」というシングルイシューに幻惑されて都民が左翼の知事を選べば、教育、税制、防災、環境規制、交通政策などさまざまな分野に影響を及ぼし、取り返しのつかないことになってしまいます。原発問題に関して、都知事にどれほどの権限があるかというと、実はほとんどありません。東京都は東京電力の第4位の株主ですが、国(原子力損害賠償支援機構)が過半数の株式を保有しているため、経営的にはほとんど影響はありません。

 --都知事選で求められるものは

 とにかく2020年東京五輪を大成功させ、日本経済の再成長軌道とリンクさせることです。震災対策も兼ねた都市構造を見直すとともに、東京を国際未来都市へ抜本的に造り変えるという、大きな構想力を掲げてほしいものです。

 --小泉氏は、異例の復活を遂げ、消費増税や秘密保護法、辺野古移設、靖国参拝など、国家的な課題を断行する安倍首相に刺激されているとの見方もできます

 小泉氏や細川氏のみならず、生活の党の小沢一郎代表や菅直人元首相などが細川氏支援に回る動きが出ています。安倍首相に刺激され、脱原発を掲げて表舞台に返り咲きたいとの思惑があるのかもしれません。脱原発を主張する歴代首相の姿を見るにつけ、国家観も安全保障に対する見識もなかったことが分かり、非常に残念です。

 --4月の消費税率アップを前に、原発停止に伴う電気料金値上げもあり、国民負担は増加する一方です

 細川陣営は「脱原発で経済成長を目指す」と言っていますが、これは全くの欺瞞(ぎまん)です。年間3兆円以上の国富の流出が今後も続き、電力価格の上昇によって製造業が国外に流出します。原子力では大部分の投資が内需に回りますが、火力では大部分が国外に流出します。再生可能エネルギーで賄うというのは幻想であり、再エネでは十分な量が確保できないため、結局は火力で代替することになります。13年度に電力9社が払った燃料費は10年度と比べて3兆6000億円も増え、これは消費税1.5%に相当します。

 もっと大きな問題は、安全保障です。脱原発論者の多くは、未来永劫、平和な時代が続くかのように錯覚しています。しかし、日本が輸入する原油の8割、液化天然ガス(LNG)の2割がホルムズ海峡をタンカーで通過しています。火力発電の比重が高まるなか、海峡封鎖の事態ともなれば、化石燃料の輸入が途絶え、日本経済は大混乱を来すことになりかねません。

 今月、安倍首相は中東・アフリカ4カ国を歴訪しました。アフリカ攻勢をかける中国の動きをにらみつつ、中東へのエネルギー依存を分散させようとする意図がうかがえます。

 --首相は原発の輸出にも積極的です

 新興国ではエネルギー需要を賄うために、安価な石炭火力への依存が高まっていますが、大気汚染による健康被害も心配されるところです。

 日本は長年にわたり培った世界最先端の原発技術を提供することで、安価で安定的な電力供給に貢献し、世界の人々の生活水準の向上に努める使命があります。「脱原発」などという戯(ざ)れ言で、世界に誇る日本の原発技術を廃れさせるわけにはいきません。

 政府は都知事選に惑わされることなく、原発を重要なベース電源と位置付けたエネルギー基本計画を速やかに決定し、定期検査の終わった原発は法令に従って運転させるようしっかり取り組むべきです。

                   ◇

【プロフィル】釈量子

 しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。

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