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海外情勢
高級ホテル 地方政府の利用減に“降格”対応
配信元:中国新聞
更新上海市内にある五つ星の老舗ホテル ■ぜいたく禁止の倹約令受け苦肉の策
中国のホテル業界で、ホテルが自主的に格付けの等級を下げるといった異例の事態が起こっている。
背景にあるのは、中国政府が綱紀粛正の一環として推し進めている倹約令。公費の無駄遣いやぜいたくが禁じられ、五つ星ホテルなど高級ホテルでの会議や宴会、宿泊利用を控える地方政府が増えてきたのだ。
そこで格付けの自主的な“降格”は、何とか「お役所の高級ホテル離れ」を引き止めようとするホテル側の苦肉の策といえる。
◆昨年は自主的に56軒
中国観光協会の陳妙林副会長によると、中国旅行ホテル業協会のデータから、中国では昨年、56軒のホテルが自主的に等級を下げたという。
格付け審査そのものを見送ったホテルはさらに多い。陳副会長が董事長を務め、五つ星ホテル40軒を含む64軒のホテルを傘下に持つ開元旅業グループでも昨年、ホテル全体の売り上げが18%、料飲部門の平均売り上げが20%減少。傘下のホテル5軒が五つ星の申請を見送ったほか、建設中のホテルも75軒のうち10軒以上が工事を中止せざるを得ない状態に追い込まれた。
さらに南京の鼎業開元大酒店は格付けの再審査を辞退、天津にある傘下の四つ星ホテルに至っては営業を停止し、近く介護サービスの施設に業態を変えるという。
中国旅行ホテル業協会が公布した「2013年上期:星付きホテル経営状況報告」を見ると、三つ星以上のホテルの平均稼働率は前年同期より6ポイント低い53%。ほぼ半数が稼働していない計算で、料飲部門の売り上げも前年比17.2%減となっている。五つ星ホテルの平均総売り上げは前年同期比14%減だ。
◆「五つ星」申請見送り
4000軒を超える中国の星付きホテルのうち、五つ星ホテルは680軒。ざっと見積もって、昨年の業界全体の売り上げは前年比でおよそ25%減となる。
倹約令の影響が直撃して不振が続く中国のホテル業界。陳副会長は地方政府に対し、税金や、水道代・電気代の優遇などの支援策を訴えるが、一部の専門家は、それよりもまずはターゲットを「官」から「民」に変えるべきだと説く。
必要なのは(1)サービス基準の下方修正(2)大型の宴会場や会議室を客室など別の用途に変えるといった経営構造の転換(3)五つ星ホテルではなく、庶民がマイカー旅行などに利用できるリゾート系のホテルの建設に力を入れるといった投資対象の調整-というのが専門家の見解だ。
一部のネットユーザーも「市場競争に勝ち抜くためには、公務員ではなく企業や一般消費者に目を向けるべきだ」とし、自主的な“降格”だけでは意味がないと断じている。
また、「中央政府は歳出予算を厳しく制限するなど問題を根本から正さなければ、何も変わらない」との声も挙がっており、倹約令が単なる掛け声で終わるのではないかとの見方も少なくない。
浙江省社会科学院調査研究センターの楊建華主任が指摘するとおり、汚職撲滅に必要なのは「歳出を根本から規制する措置、発想を根本から転換させる教育や啓蒙(けいもう)、制度や法律に基づいたルール作り」であろう。(京華時報=中国新聞社)