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インドネシア、大型投資手控えも 選挙イヤー、経済・政治情勢見極め
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「未整備のインフラや高コストの経済体質など問題は山積している」と話すソフヤン氏 5年に1度の選挙の年を迎えたインドネシア。国会や各地方議会の議員などを決める総選挙を4月に、大統領直接選挙を7月に控える。経済成長が減速気味の中、選挙を受けて今年の経済がどう推移するかに注目が集まる。
◆成長率5%台予測
インドネシア経営者協会のソフヤン・ワナンディ会長は「一連の選挙キャンペーンに伴う政党や候補者の支出で広告業界などの売り上げが高まる分野もあるが、全般的には大型投資を手控える傾向が強くなる」と話す。
すでに決まっているものは別として、次期大統領が就任する10月までは大きな投資は望めないだろうと指摘。グローバル経済や国内情勢を見極め、今年の成長率は5.2~5.5%程度と予測した。
同国はこの数年で賃金が大幅上昇。通貨ルピアが対ドルで下落しており、政策金利も昨年1年で1.75%引き上げられた。貿易赤字も拡大しているため、輸入品が多くを占める消費の抑制策も打ち出した結果、2013年の経済成長率は失業率を引き下げるために必要とされる6%を割る5.78%となった。
一方、ここ数年、土地不足で地価が上昇しているジャカルタ周辺の工業団地では、来年以降を見据えた投資の動きも着々と進んでいる。1~2年後に向け造成を進めている地元運営会社の幹部は「昨年までのブーム時ほどではないが、中長期の市場拡大を見据えた製造業の引き合いは依然強い。5年前、10年前の選挙では様子見に徹していて、そこまで先を見た動きはなかった」と底堅さを指摘する。
◆年央まで減速基調
三菱東京UFJ銀行ジャカルタ支店の勝田祐輔支店長は、自動車関連市場が一服し、今年前半は選挙の動きを見据えながら様子見が続く可能性はあるが、日本からの投資意欲は衰えないと指摘。「年半ばぐらいまで減速基調は続きながらも、大統領が決まって不透明感が払拭され、アンバランスになっている国際収支の調整が済めば、年後半は元の成長軌道に戻っていくだろう」と話した。
同銀は、今年の成長率は5.6~5.8%で昨年と同じかやや高め、昨年8%超だったインフレ率は5.0~6.0%まで下がると予測している。
日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所の富吉賢一所長は、経済テクノクラートの力もあり、短期的には大きな変化はないとみる。一方、新政権が長期的な視野で外資の活用や、ジャカルタに集中している工場を分散させていくなどの施策を講じなければ、天然資源輸出への過度な依存で工業分野の国際競争力を失い、最終的に経済低迷を招く「オランダ病」や「中進国のわな」が現実になると懸念する。
新政権は成長を再び6%超の軌道に乗せながら、同時に中長期の安定的成長を見据えた準備を進めることが課題となる。(インドネシア邦字紙「じゃかるた新聞」編集委員 上野太郎)