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不安くすぶる消費増税、97年との違いは? 「日本の金融システムは最強」
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政府が28日発表した主要経済指標は、消費税増税前の駆け込み需要に伴う活発な生産活動などもあり、好調だった。消費税率が5%に引き上げられた1997年当時の経済指標も比較的、好調な数字を示していたものの、税率引き上げ後に景気が悪化。長期のデフレや株式市場の大幅な下落につながった。8%への税率引き上げ後の経済、市場の先行きには、不安がくすぶっている。
「勢いが増している」
東京都新宿区の家電・ファッション量販店「ビックロ新宿東口店」の売り場担当者は、2月の全店売上高で大型冷蔵庫が2倍になるなど、活発な駆け込み需要に驚きを隠さない。
昨年末から百貨店売上高や自動車の販売も伸びた。消費の活発化を背景に、物価や雇用も上昇傾向を強めている。2月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比で1.3%のプラス。有効求人倍率も2月は1.05倍と約6年半ぶりの高い水準だ。
また、国内で作り出された財(モノ)とサービスの合計にあたる実質国内総生産(GDP)も、昨年10~12月期は年率換算で前期比0.7%増と、5四半期連続でプラス成長となり、景気の改善は進みつつある。
前回の消費税増税に先立つ経済指標も、同様に好調な数字がめだつ。97年2月の消費者物価指数はプラス0.4%、有効求人倍率は0.74倍と今年の数字には及ばないものの堅調で、96年10~12月期もGDPは年率で6.1%増と、現在よりもさらに高い成長率を示していた。
ただ、97年10~12月期からGDPは3四半期連続でマイナス成長となり、その後日本はデフレスパイラルに陥った。その要因の一つが、財政規律の維持に向けた公共事業の引き締めだ。
97年度の公共事業費は9兆7447億円(当初予算ベース)で、2014年度の予算(5兆9685億円)に比べ規模は大きい。だが、財政規律を優先した政府は、補正予算で公共事業の過度な積み増しを避けた。その結果、GDPにおける公共投資は97年10~12月、98年1~3月期には年率換算で20%超も落ち込んだ。
これに対し、現在は予算に計上した公共事業費に加え、公共事業を含む5兆5000億円の経済対策を補正予算に盛り込むなど、増税後の落ち込みを和らげる政策を講じている。
「消費税の引き上げによって97年のようなことが起る可能性はまずない」
日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は今年3月11日の記者会見でこう指摘した。麻生太郎財務相も今月28日の会見で「(消費税を)3%から5%に上げたときとは全然違う」と強調した。
前回増税時の97年夏にはアジア通貨危機が発生。秋には山一証券などが相次いで経営破綻するなど、金融危機が重なった。しかし、現在は金融機関の不良債権処理は解消し、「日本の金融システムは世界で最も強い」(メガバンク首脳)状況にある。今後、米国の量的緩和縮小による影響は懸念材料だが、米国経済の堅調な回復で、海外リスクも当時に比べ低いとみられている。(大柳聡庸)
1997年2月 2014年2月
消費者物価指数
(生鮮食品を除く総合) 101.1 100.5
(前年同月比0.4%上昇) (前年同月比1.3%上昇)
消費支出 30万1167円 26万6610円
(1世帯当たり) (前年同月比1.1%増) (前年同月比2.5%減)
有効求人倍率 0.74倍 1.05倍
(前月比横ばい) (前月比0.01ポイント上昇)
完全失業率 3.4% 3.6%
(前月比0.1ポイント上昇) (前月比0.1ポイント下落)
GDP 年率換算で前期比6.1%増 年率換算で前期比0.7%増
(季節調整済み、物価変動を除く実質)
(注)GDPは1996年10~12月期と2013年10~12月期の比較、消費者物価指数は2010年=100