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日銀さくらリポート 全9地域で「回復」判断 反動減想定内

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

日銀さくらリポート 全9地域で「回復」判断 反動減想定内

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 日銀が17日発表した4月の地域経済報告(さくらリポート)では、全国9つの地域全てで景気の現状判断に「回復」の表現が盛り込まれ、消費税増税後も各地域で、生産から雇用、支出の前向きな循環が続いていることが確認された。設備投資や生産が堅調に推移し、雇用や所得環境も改善している。ただ、個人消費で消費税増税前の駆け込み需要の反動が出るなど、先行きにはリスクもはらんでいる。

 設備投資・生産

 建設機械国内最大手コマツの粟津工場(石川県小松市)。5月に約70億円を投じて建設中だった組立工場が新たに完成する。建機市場は国内や北米市場が堅調で、同社の関係者は「生産効率化を目的とした設備投資を進めている」と説明する。

 設備投資が好調なため、さくらリポートでは北陸地域が全国9地域で唯一、前回リポート(1月)から景気判断を引き上げた。日銀の金沢支店によると、北陸の製造業の2014年度の設備投資計画は前年度比で10.1%増と高水準だ。

 設備投資は、北陸と近畿の2地域が判断を上方修正。日銀の櫛田誠希・大阪支店長は17日の会見で、「企業心理はしっかりしている」と強調した。

 生産も北海道や東北など4地域が判断を引き上げた。駆け込み需要の反動減で国内の新車販売台数は減少が予想されているが、それでも円高是正で輸出採算は改善しており、自動車各社は「国内の減少分は輸出に回すなどして、生産は維持する」(自動車大手幹部)方針だ。

 雇用・所得

 生産や設備投資の拡大などを背景に、雇用と所得環境も改善している。雇用判断については、関東や近畿、中国、九州・沖縄の4地域で引き上げられた。日銀の市川能英・福岡支店長は17日の会見で「着実に雇用環境が回復しており、景気を下支えしている」と強調した。

 総務省によれば2月の完全失業率は3.6%で、6年7カ月ぶりの低い水準だった。企業の人手不足感は強まっており、家具量販大手ニトリを運営するニトリホールディングスの似鳥昭雄社長は「異業種も含め人材の取り合いが厳しい」と話す。

 労働需給が改善していることから、賃上げを実施する企業も相次ぐ。日銀の曽我野秀彦・札幌支店長は「人手不足が色々な形で表面化しており、物流や観光、小売りで人件費がかなり上がっている」と説明する。さくらリポートでは北海道をはじめ関東や近畿など5地域で、所得判断を上方修正した。

 個人消費

 個人消費も堅調で、九州・沖縄地域が個人消費の判断を引き上げた。

 今のところ「駆け込み需要の反動減は、ほぼ想定通りの結果」(日銀の市川福岡支店長)との見方は多い。スーパー大手ライフコーポレーションの岩崎高治社長は「4月の第1週は(売上高が)落ち込んだが、それでも予算は上回っている」と説明。ビックカメラの安部徹経営企画本部長も、予想よりも反動減が小さいことに「肩すかし」と語る。

 ただ、内閣府による3月の消費動向調査では、消費者心理を示す消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)が前月比1.0ポイント低下の37.5となり、4カ月連続で悪化した。調査は半年間の見通しを聞いており、4月の消費税増税後に買い控えようとする意識を反映しているとみられる。消費者心理の基調判断は「弱含んでいる」から「弱い動きがみられる」に引き下げた。

 今後、さらに個人消費が冷え込めば、景気の前向きな循環に支障をきたす恐れもある。

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