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TPP交渉、揺れるマレーシア 首相は積極姿勢も医薬業など反対

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TPP交渉、揺れるマレーシア 首相は積極姿勢も医薬業など反対

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 マレーシアのナジブ首相は、先月26~28日の日程で同国を訪れたオバマ米大統領と首都クアラルンプールで首脳会談を行い、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結を目指す方針を確認した。両国は2国間の関係を強化していくことでも一致している。現地紙ニュー・ストレーツ・タイムズなどが報じた。

 ナジブ首相は会談後の共同記者会見でTPPについて、「国内の微妙な問題」に関する米側の理解に謝意を表明した。

 これに対し、オバマ大統領は米国でも反対意見はあるとしてマレーシア国内の反対に理解を示したうえで「労働集約型からの産業転換を図るマレーシアにとって、TPPは雇用とビジネスを創出する最善の選択だ」と述べ、改めて今後の交渉への意欲を示した。

 マレーシア国内には、TPPで同国経済の多様な分野で大きなシェアを握る国営企業のあり方や、政府調達で国民の過半数を占めるイスラム系マレー人が経営する企業を優遇する政策などが改革を迫られるとの懸念が根強い。

 また、米国が主張する医薬品の特許期間(現在は20年)延長など、知的財産保護に関しても、特許が切れた医薬品を安価で市場に提供できるジェネリック(後発)医薬品が中心の医薬品産業を抱えるマレーシアは反発している。

 首脳会談前には、マレーシアのムスタパ貿易産業相が医薬品の特許期間問題に関して、「国内の薬価上昇につながる恐れがあり、絶対に受け入れられない」とし、反対を貫く姿勢を表明するなどしていた。

 ただし、同相は「いったん脱退すれば、参加国がさらに増えた後になって再び枠組みに入るのは極めて難しくなる」とも述べ、継続的に協議を重ねていくことの重要性も訴えている。

 野党指導者のアンワル元副首相が「TPPは国益に反する」と明言するなど、マレーシア国内では交渉自体に反対する声も根強く残る。

 しかし、ナジブ首相は交渉過程での勝ち負けはあるとしながらも、「全体的にみれば、マイナスよりもプラスがはるかに大きい」とTPPの意義を強調。今後も引き続き国民の説得に当たる覚悟を示した。(シンガポール支局)

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