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政府が北朝鮮経済制裁の一部解除へ 送金禁止や船舶入港禁止など
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北朝鮮への独自制裁一部解除を表明する安倍晋三首相=3日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影) 政府は3日午前、首相官邸で北朝鮮による日本人拉致問題に関する関係閣僚会議と国家安全保障会議(NSC)を開き、北朝鮮への独自制裁の一部を解除する方針を決めた。北朝鮮が拉致被害者らの安否を再調査するために設置する「特別調査委員会」が、党や軍など全機関を調査できる権限を持ち、実効性が認められると判断した。政府は4日、北朝鮮側からの再調査開始の通知を受けた上で閣議で正式決定する。
安倍晋三首相は3日午前、関係閣僚会議とNSC後、官邸で記者団に、調査委について「国家的な決断、意思決定ができるかつてない態勢ができたと判断した。行動対行動の原則に従い、日本が取ってきた一部の措置を解除したい」と表明。菅(すが)義(よし)偉(ひで)官房長官は記者会見で、調査委の最初の報告時期について「(北朝鮮が)今年の夏の終わりから秋の初めに行うのが望ましい」と述べた。
調査委は、金正恩(キムジョンウン)第1書記をトップとする国防委員会から北朝鮮の全機関を調査できる権限を付与される。拉致被害者の管理に関わる国家安全保衛部のほか、人民保安部、人民武力部、地方の人民委員会の関係者ら30人程度で構成され、地方にも支部を置く。
特別調査委の委員長は、ソ・テハ国防委安全担当参事兼国家安全保衛部副部長、副委員長にキム・ミョンチョル国家安全保衛部参事とパク・ヨンシク人民保安部局長が内定。「拉致被害者」「行方不明者」「日本人遺骨問題」「残留日本人・日本人配偶者」の4つの分科会が設置され、分科会の責任者が副委員長に再調査の結果を報告する。
日本側にも必要に応じて協力を求める。各分科会の進(しん)捗(ちょく)状況は随時、日本側に通報するとともに、再調査の透明性を確保するため、適切なタイミングで日本側の関係者を受け入れる用意もあるという。
ただ、調査委には現在、横田めぐみさんら「死亡8人」とされた拉致被害者らを管理しているとされる労働党中枢機関の党組織指導部や、工作機関の統一戦線部は入っておらず、再調査の実効性が担保されるか疑わしい面もある。
一方、調査委の設置を受け、日本側が行う制裁解除の対象となるのは、人的往来の規制▽北朝鮮居住者らへの送金、現金持ち出しに関する届け出の規制▽人道目的の北朝鮮船籍船舶の入港禁止-の3項目。特に人的往来に関しては、北朝鮮籍者の入国禁止▽北朝鮮船籍船舶の乗組員らの上陸禁止▽日本国民の北朝鮮への渡航自粛-などの規制を解除する。
日朝両政府は今年3月、公式協議を約1年4カ月ぶりに再開。5月26日から28日にスウェーデン・ストックホルムで外務省局長級協議を開き、拉致問題を協議することを確認した。
これを受け、日本政府は5月29日に官邸で首相らをメンバーとする関係閣僚会議を開催。日本人拉致被害者の再調査実施と、それに伴う独自制裁の一部解除を決め、合意内容を発表した。
合意文書には、北朝鮮が日本人の遺骨・墓地、残留日本人、日本人配偶者、拉致被害者、特定失踪者ら全ての日本人に関する再調査を行うため、北朝鮮が特別調査委員会を設置することが盛り込まれた。これに対し、日本は3つの独自制裁を解除することを文書に明記した。