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日銀総裁、消費「底堅く推移」 都内で講演
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日銀の黒田東彦総裁は1日、都内で講演し、消費税増税の影響について、「個人消費は底堅く推移する」としつつも、「(税負担増による)実質所得の押し下げが徐々に影響を与える可能性もある」として、今後の景気を注意深く点検する考えを示した。「変調」を示す経済指標も出始めており、専門家からは政府・日銀の描く景気の回復シナリオに懐疑的な声も上がる。
黒田総裁は講演で、消費マインドを示す「消費者態度指数」が4月を底に2カ月連続で改善したことに触れ、「夏のボーナス増加も見込まれる」ため、消費への影響は限定的だとの認識を示した。
実際、6月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は前年同月比3%減とマイナス幅は5月の8%減から縮まった。
ただ、ある証券系アナリストは「反動減からの自律反発としては弱めの数字。とくに日用品の食料が3・7%減とふるわない」と指摘する。
黒田総裁は講演で設備投資についても言及。「出遅れていた製造業の設備投資も回復が鮮明になってきた」と強調した。
しかし、設備投資の先行きを占う機械受注額(船舶・電力除く)は5月、前月比19・5%の大幅減。
6月の鉱工業生産指数(平成22年=100、季節調整済み)の速報値も前月を3・3%下回る96・7となり、2カ月ぶりに下落した。
ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎・経済調査室長は「景気は回復基調にある。しかし、政府や日銀ほどの成長ペースは見込んでいない」と話す。
一方、日銀が掲げる2%物価目標の達成に向けて、黒田総裁は講演後の質疑で、「必要となれば、躊(ちゅう)躇(ちょ)なく調整を行う」と改めて強調した。