SankeiBiz for mobile

【米中間選挙】推進派の共和党、交渉前進に期待、TPP対日強硬も

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

【米中間選挙】推進派の共和党、交渉前進に期待、TPP対日強硬も

更新

 オバマ政権が大敗した米中間選挙の結果は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉にも大きな影響を与えそうだ。大勝した共和党は自由貿易の推進に積極的で、この点では交渉の前進が期待できる。ただ、日本の農産品市場の開放を求める圧力が強まり、日本にとって合意のハードルが高まる懸念も否めない。

 「次の下院歳入委員会の委員長になりたい」。共和党のライアン下院予算委員長は4日夜のテレビ番組で、TPPなど通商交渉を扱う重要ポスト就任への意欲を初めて公言した。

 ライアン氏は2012年の大統領選での共和党の副大統領候補者で、16年の大統領選への出馬も取り沙汰される有力者だ。地元のウィスコンシン州で生産される大豆のアジア市場への輸出を見据え「TPPは米国にとって大きな勝利になり得る」と訴えてきた。

 これに対し、貿易拡大で「雇用が奪われる」との意見が多い民主党はTPP交渉の推進には慎重で、オバマ大統領にとっては与党・民主党よりも共和党の方がむしろ立場が近い。

 このため、日本政府内には共和党の勝利で「交渉に弾みがつく」(高官)と期待する声も上がる。

 米国はアジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議にあわせて中国・北京で8日に開かれるTPP交渉の閣僚会合の会場を、在中国の米国大使館とすることを日本など他の11カ国に通知した。TPPの交渉会合を在外公館で開くのは極めて異例だ。TPP交渉に参加していない中国は日米主導の通商ルールづくりには神経をとがらせており、中国当局による盗聴を警戒したためとみられるが、会合を主催する米国の前向きな姿勢もうかがえる。

 もっとも、共和党の影響力が強まるほど、日本には不利に働く恐れも大きい。高水準の自由化を目指す同党が日本の重要農産品の関税をめぐり「日本により譲歩を求めてくる可能性がある」(交渉筋)からだ。

 さらに、共和党は「日本が農業分野で譲歩しないのは、政権に交渉権限がないためだ」として、議会が大統領に通商交渉での強い権限を与える「貿易促進権限(TPA)」法案の成立までは合意を認めない方針。TPA法案の審議は来年1月の新会期開始までは行われない見通しで、日米などが目標としてきた交渉の年内大筋合意は依然、「極めて厳しい」(同)との見方は変わらない。

(本田誠、ワシントン小雲規生)

ランキング