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【太陽の昇る国へ】決断すべきは増税ではなく減税
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今後の経済財政動向の点検会合で有識者、専門家を前にあいさつする麻生太郎副総理兼財務相(右)=4日、首相官邸 □幸福実現党党首・釈量子
--来年10月に消費税率を8%から10%に引き上げるか否かをめぐり、政府・与党内で議論が進められています
再増税の可否について、安倍晋三首相は7~9月期のGDP(国内総生産)の数値などを踏まえ、判断する方針ですが、断固、引き上げるべきではありません。1997年の消費増税後、税収が97年を上回ったことが一度もないことからも、増税中止が当然の選択です。私たち幸福実現党が一貫して訴えているように、消費増税が招くのは日本経済の沈没です。
4月の消費税率引き上げ以降、消費が落ち込んでいますが、GDPの約6割を個人消費が占めることを考えれば、増税による駆け込み需要の反動減で内需が後退し、景気が低迷することは十分予測できたはずなのです。再増税のダメージを和らげようと、生活必需品等への軽減税率導入も検討されてはいますが、増税は「百害あって一利なし」です。
--安倍首相は増税を先送りし、解散総選挙に踏み切るとみられています
先送りしたところで、選挙が終われば、いずれ増税に踏み切るに違いありません。「小さな政府、安い税金」こそが、国のあるべき姿だと考える幸福実現党としては、再増税は先送りではなく中止、いやむしろ、5%への税率引き下げをこそ検討すべきと考えます。“消費減税”こそが、日本経済復活の起爆剤となるはずです。増税により経済成長を鈍化させ、デフレ脱却を遠ざけるような事態は避けるべきであり、経済成長を目指さなくてはなりません。
--しかし、増税を見送れば、社会保障費の財源確保が難しくなることが懸念されます
今後、増大する社会保障費をすべて消費税でまかなおうとすれば、今世紀半ば頃には税率が60%にも及ぶという予測もあります。急速な高齢化の一方で、社会保障制度の担い手たる現役世代が減少するなか、消費増税により現行制度を維持しようという考え自体が無責任極まりないものなのです。年金の破綻処理も含め、社会保障制度の抜本的な見直しは避けられないというのが私たちの考えです。
--こうしたなか、先月末、日銀が金融政策決定会合で追加金融緩和を決定しました
景気が足踏みするなか、再増税を後押しするかのような決定です。4月下旬の本欄でも指摘したように、増税判断に合わせた日銀の追加緩和は予想されていたことでもあります。異次元緩和自体は、かねて大胆な金融緩和の必要性を訴えてきた幸福実現党としても是とするものです。
しかし、資金供給量が増えても、企業は銀行からお金を借りようとしません。新規の事業を立ち上げても、成功して返済する自信がないからでしょう。ここに、安倍政権の政策の足りざるところが透けて見えます。
--具体的には
実効ある成長戦略の不在です。「日本の繁栄は絶対に揺るがない」という先行きへの確信が持ててこそ、民需も回復し、民間主導の成長実現の道筋も見えてくるというものです。
また、安倍政権としては、異次元緩和による円安進行で輸出が拡大し、景気が回復するというシナリオを描いていたのでしょうが、企業が生産拠点の海外移転を進めた結果、円安でも輸出が伸びなくなっています。企業の国際競争力を高め、海外投資を呼び込むには、消費増税の中止はもちろん、法人税の大幅減税や大胆な規制緩和が急務です。
庶民派を気取り、「増税棚上げ」を口走るくらいなら、日本経済を低迷させ、国民生活にダメージを与える増税など、最初からしなければよいのです。場当たり的な施策ではなく、この国を強く、豊かにするための政策遂行を強く望むものです。
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【プロフィル】釈量子
しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。