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海外情勢
【データで読む】日本の材料メーカーが支える紙おむつ市場
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アジア新興国におけるベビー用の紙おむつ市場が急速に拡大している。一般的に、1人当たり国内総生産(GDP)が3000ドル(約35万円)を超えると、ベビー用の紙おむつが普及し始めるといわれる。中国、タイ、インドネシアなどが近年、この水準を超えて経済成長を続けていることから、今後さらなる市場拡大が見込まれる。
アジア市場における紙おむつメーカーのシェアは、2位に日本のユニ・チャームが入っているものの、米国メーカーが1、3位で高いシェアを有する。最終製品は米国勢が優勢であるのに対し、紙おむつ材料は日本勢が強い分野である。
特に優位にあるのが、紙おむつの性能を大きく左右するといわれている高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下SAP)である。日系大手3社(日本触媒、住友精化、SDPグローバル)の生産能力は世界の4割強を占める。
日本の材料メーカーの強みは、主に技術力と顧客ニーズへの対応力などである。
技術力とは、紙おむつ用途のSAPに求められる薄型化、漏れの低減、表面のドライ性などさまざまな高度機能にきめ細かく応えられる製造技術力やノウハウを備えていることだ。
ニーズ対応力は、紙おむつメーカー・製品ごとに異なる要求水準に対して、ユーザーとの「すり合わせ」によりニーズをきめ細かく把握し、時には潜在ニーズを見つけ、独自の機能を開発・提供できることである。このようなすり合わせを続けることにより、さらに技術力を高め、ニーズ対応力が評価されることにより、大手紙おむつメーカーの主力ポジションの座を獲得している。
紙おむつの需要拡大に伴いSAP供給量も増えるにつれ、海外勢もSAP生産を増強している。こうした中でも、日本勢はすり合わせで潜在ニーズに対して他社と差異のある機能を自ら提供していくことで、優位性を保つことができるだろう。(編集協力=日本政策投資銀行)