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ツレ高株はいつ売るのがいいのか? マーケット動かすイナゴ投資家たち

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

ツレ高株はいつ売るのがいいのか? マーケット動かすイナゴ投資家たち

更新

 IPO(新規株式公開)市場が活気づいてきた。今年の目玉ともいわれていたLINEの上場は延期となったものの、注目のIPOはここから年末にかけてめじろ押しだ。もちろん、人気の銘柄を公募価格でゲットできるのは限られた投資家だけだが、すでに上場している関連株でツレ高を狙うことは十分可能だ。

 今年も年末に向けてIPOラッシュへ

 例年通り、この年末も「IPOラッシュ」になることはほぼ間違いない。こうなると、投資家のIPOへの関心が年末に向け一段とヒートアップするはずだ。なお、人気のIPO株は抽選で当たれば、まさに“プラチナチケット”。しかし、これらは高倍率であり、そう簡単にはゲットできない。そのため、多くの投資家は、話題の銘柄のIPO観測が浮上すると、まずは関連銘柄でひと稼ぎしようとする。

 たとえば、昨年6月4日、「LINEが、早ければ11月に日本と米国でIPOする方向で、協議を進めていることが明らかになった」と伝わると、関連銘柄が火柱高を演じた。ネットイヤーグループは6月3日始値388円が、わずか6営業日後には一時855円をつけた。また、アドウェイズが、「LINEと代理店契約を締結し、『LINEフリーコイン』の販売を開始した」と発表すると、同社の株価は発表前の238円から1310円まで急騰した。

 IPOで人気化する銘柄の特徴は、高成長期待が抱ける業種で、マーケットからの吸収金額が小さい銘柄だ。希少価値、プレミアム感のある銘柄が人気化するのは当然の帰結だ。多くの投資家は、プラチナチケットを公募でゲットできない。どうしても手に入れようとするなら、市場で買うしかない。だから当然、初値は高騰する。そして、初値示現後は、そのチケットをめぐって、あらためてラリーが発生していくのである。

 注目のLINEが上場延期へ。関連銘柄の物色は継続するのか?

 LINE上場は延期となったが、中止になったわけではない。つまり、今後は再びLINE関連が物色される可能性が高まったというわけだ。

 人気IPOのツレ高株はいつ売るのがいいのか

 意外なことに9月24日、LINEは年内の株式上場を見送ることを明らかにした。同社は、7月までに東京証券取引所と米国証券取引委員会(SEC)へ上場申請書類を提出し、今秋の上場を目指していた。だが、韓国の親会社ネイバーの中で意見がまとまらなかったため上場を延期したとみられると伝わっている。

 この日以降、市場では、上場をきっかけに同社の知名度がさらに一段と上がり、その結果、事業拡大が加速し、関連企業の業績も連動して伸びるとの期待が急速にしぼんだ。だが、これはあくまでも延期であり、中止ではない。このため、今後もLINEの上場時期等に関する報道があれば、そのたびに関連銘柄が同意づくことが予想される。

 たとえば、LINEと同様に市場の注目度の高かったのがリクルートホールディングス(HD)だ。同社に関しては、今年5月14日に、「10月をメドに東証に上場することがわかった。6月下旬にも上場を申請する」と一部で先行報道されていた。そして、ついに、8月8日、会社側は、東証への上場準備を進めていると正式に発表した。

 この発表を受け、関連銘柄の代表格であるオールアバウトの株価は大きく動くことになる。インターネット情報サービスを手がけるオールアバウトだが、今年3月末時点で、リクルートHDは同社の第2位株主。だから、オールアバウトはリクルート関連の中核銘柄なのである。オールアバウトの株価は、8月8日始値は545円だったのが、9月2日には1230円まで上昇した。1カ月弱で2・26倍に化けたのである。

 なお、リクルートHDは9月10日、東証から10月16日付で株式上場を承認されたと発表した。だが、オールアバウトの株価は先述の1230円をピークに調整を続け、10月2日には一時740円まで売り込まれた。

 相場格言に、「噂で買って事実で売る」というものがあるが、今回のオールアバウトの株価推移はまさにこの典型だ。つまり、会社が上場の準備をしているという発表で買って、上場が承認されたという事実で売るのがセオリーだったのだ。

 だが、最高の売り時は、実際に上場承認を受けた9月10日よりも6営業日前の9月2日だった。そうはいっても、承認翌日の9月11日の始値は948円だったので、8月8日や翌営業日の8月11日に買って、9月11日に売っても、そこそこ利食えたはずだ。それでも、株価のピークで売りたいというのであれば、実際の上場承認の前に売り抜ける戦略を採用するべきだろう。“事実”への期待があまりに高まりすぎ、株価が過熱していると判断したのなら、実際の“事実”が発表される前に、「頭と尻尾はくれてやれ」とばかりに、割り切ることが重要だ。

 今後、LINEの上場スケジュール等の詳細が明らかになる際にも、そのような割り切り売り戦略は有効になるはずだ。

 マーケットを動かすイナゴ投資家。年末から春先にはLINE関連に群がる

 材料株に飛びつくイナゴ投資家たち

 業績のよしあしやバリュエーションは無視して、材料がありそうな銘柄を手当たり次第に物色し、上値が重いとみるやすぐに別の銘柄に乗り換える個人投資家を最近では「イナゴ投資家」と呼ぶ。そして、彼らがつくり出した材料株のチャートの形状が「イナゴタワー」だ。イナゴマネーが集中すると、狙われた銘柄の株価はあっという間に押し上げられ、そして去って行く過程で、すさまじいピッチで急落する。イナゴたちはこのタワーをあちこちでつくり出す。

 たとえば、朝日ラバー。同社の株価は8月21日に352円だったが、1カ月後の9月22日には3435円まで急騰し、その後、10月7日に1720円まで急落した。「マイクロ流体デバイス」と呼ぶ新規分野で、本格的に事業化を進めることが材料視された。NECが開発している「可搬型DNA解析装置」以外でも、診断用や再生医療用などのチップで引き合いを得ていると伝わっており、チップやデバイスの量産を受託して供給するビジネスモデルの構築への期待が、イナゴたちの間で高まったのだ。

 また、日本電計もイナゴの襲来に見舞われた。きっかけは9月12日、測位衛星技術との業務提携を発表したこと。提携により、衛星による自動車の自動走行等の新技術分野で新市場を開拓するとの思惑を呼んだ。

 これがイナゴたちに好感され、同社株は急騰劇を開始。12日の始値1093円が、5営業日後の22日には一時2299円まで買い上げられた。しかし、それをピークに失速。10月2日には一時1364円まで叩き売られた。

 また、ブロードメディアにもイナゴパワーが炸裂。きっかけは9月9日、ブロードメディアとGクラスタ・グローバルが、スクウェア・エニックスが運営するストリーミングサービス「DIVE IN(ダイブイン)」のスマホタブレット向けストリーミングサービスに対して、Gクラスタ技術を提供すると発表したこと。9月9日の始値153円は、10月1日には高値410円まで急騰。だが、その直後にイナゴの撤退が始まった。

 それはさておき、今後、LINEに関しては、上場絡みのニュースのほか、新サービス開始、業務提携や資本提携、新たな海外展開等のニュースや会社発表が出れば、イナゴ襲来により、LINE関連株が動意づく可能性が高い。このため、年末から春先まではLINEのホームページなどで会社からの正式発表を日々チェックしたい。グッドニュースが出てくれば関連銘柄でひと稼ぎすることが可能になるからだ。

 最後に、仮にLINEの東証上場が決まり、抽選に当たればそれはそれでラッキーだが、不運にも当たらなかったら、韓国の親会社のネイバーや、韓国NHNエンターテインメントを狙うという方法もありだ。LINEは韓国の検索ポータル最大手として知られるネイバーが100%出資する会社だ。(ネットマネー)

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