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【衆院選2014】みずほ証券チーフマーケットエコノミスト・上野泰也氏に聞く

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

【衆院選2014】みずほ証券チーフマーケットエコノミスト・上野泰也氏に聞く

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 ■産業の新陳代謝活発化を

 14日に投開票される衆院選を控え、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏に政府の経済政策や日銀の金融政策などをめぐる評価と課題を聞いた。

 --アベノミクスへの評価は

 「『第1の矢』の金融政策は柔軟性が失われている。日銀は物価を重視するあまり、金融緩和を続けることで潜在的なリスクやコストを蓄積し続けているからだ。そもそも日銀にデフレ脱却の責任を押しつけるのは間違いだ。需給を引き締めるため、人口対策や産業の新陳代謝を活発化させる政策などに率先して取り組むことが、政府の正しい姿ではないか」

 --10月末に日銀は追加の金融緩和に踏み切った

 「市場への資金供給量は変えず、資産買い入れの中身だけで緩和をしていればここまで混乱しなかった。債券、株式、為替の各市場はいずれも人の手が入り、恣意(しい)的な色彩を帯びてきた。日銀は今回の緩和で2%の物価上昇目標を金科玉条として政策運営することを世間に知らしめた。このまま原油安が進み物価上昇が見込めない場合、日銀は来年10月、物価見通しを修正すると同時にもう一段の緩和をすると予想している」

 --円安が加速している

 「当面の景気への影響という意味では既に『悪い円安』は始まっている。今のように家計や中小企業、地方経済にダメージが及んでくると、通常は金融政策を修正する。市場に大きなショックが及ばない範囲で徐々に緩和を縮小させるべきだ。現段階の円売りは日米の金融政策のベクトルの違いが理由だが、直近の円安のピークだった2007年の1ドル=124円台前半よりも下落に傾いてくると、円への信認が失われつつあるという見方をせざるを得ない」

 --新政権と日銀の関係は

 「来年4月の統一地方選を控え、政府は地方の景気などに配慮して急速な円安を牽制(けんせい)し始めているのに対し、日銀は物価至上主義を貫いている。円安に関して全く異なるスタンスを取る両者がいかに歩み寄っていくかが、衆院選後のテーマの一つになるだろう」(米沢文)

                   ◇

【プロフィル】上野泰也

 うえの・やすなり 上智大文卒。1986年会計検査院入庁。88年富士銀行(現みずほ銀行)入行。94年富士証券(現みずほ証券)チーフマーケットエコノミスト。みずほ証券設立に伴い2000年から現職。51歳。東京都出身。

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