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海外情勢
約半数が月給5000元以下 留学帰国就職青書
配信元:中国新聞
更新山西省太原市で行われた留学のプロモーション活動。留学のための出国規模は35年間で300万人を超えている(中国新聞社) 1978~2013年末までに中国国外に留学した中国人留学経験者305万8600人のうち144万4200人が学業を終え帰国したが、大学学部卒の帰国者の半数近くと(実務的教育を受けた学士号を持たない)専科課程修了の帰国者の半数以上が月給5000元(約9万5650円)以下であることが中国教育省留学サービスセンターが発表した「中国留学帰国就職青書」で明らかになった。
青書のデータによると、留学した人の留学先は80カ国・地域に上ったが、英国や米国、オーストラリア、韓国、日本などの国に集中。なかでも英国が中国の高校卒業生や学部卒業生を最も多く受け入れており、米国が修士課程修了者を最も多く受け入れていた。修士号を持つ留学帰国者は63%、学士号は30%、博士号は6%だった。
調査に回答した留学帰国者のうち57.94%が北京や上海、広州(広東省)、深セン(同)で就職することを望んでおり、最も人気がある業界は金融、次に教育、IT(情報技術)・ソフトウエアサービス業が続いた。
データによると、約半数の留学帰国者の希望月給は5000~1万元だが、実際の月給は多くが1万元以下。博士号取得者の32.8%、修士号取得者の40.86%、学士号取得者の47.74%、専科課程修了者の51.14%の月給が5000元以下だった。このほか報酬・月給と性別にも一定の関係があり、額が上がるにつれ女性が占める割合は低くなっていた。
帰国後の人気就職業界2位が教育だったことについて、教育省留学サービスセンターの孫建明主任は「現在では留学帰国者の就職先は高等教育機関や科学研究機関、養成機関、家庭教師など幅広い。保護者からの強い需要で教育業界は発展してきており、海外での学習経験のある人が有利だ」と解説する。
また給与額については「現在、雇用者側からみると、海外での学習経験がある人は一定の優位性を持つが、国内の大学卒業生も国外交流の機会が多くあるため、両者の額の差はますます縮まっている」と指摘した。(京華時報=中国新聞社)