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主要122社、政策評価最高は「金融緩和」 規制・税制改革、安倍政権に期待
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フジサンケイビジネスアイが主要企業122社に実施したアンケートでは、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」のうち、いまだ道半ばの規制改革や税制改革への期待の高さがうかがえる。懸念材料は急速に進行する円安相場。念願の「デフレ脱却」に向け、企業の力も試される2015年になりそうだ。
アンケートでは、安倍晋三首相のこれまでの取り組みで評価する政策や不十分な政策、今後期待する政策を、3番目まで順位をつけてもらう形でたずねた。
これまで最も評価する政策で、「金融緩和」を1番に挙げた企業は54社。3番目までに評価した企業を合わせると74社に上り、評価しない企業はゼロ(無回答除く)だった。
日銀と連携した大胆な金融緩和は、市場に出回るお金の量を増やす取り組みで、一昨年から実施。「円高是正と株価の上昇」(運輸)を定着させた。株高になれば消費意欲が刺激され、円安で輸出が増えることを狙ったもので、「企業や家計のマインド好転が景気回復に寄与した」(小売り)。
「2%の物価上昇率」の目標に向けて、昨年10月31日には追加の金融緩和を決定。マネタリーベース(資金供給残高)をこれまでより10兆~20兆円多い、年間約80兆円に増加させたことで、「デフレ脱却の一歩手前まで前進した」(保険)。この結果、株価はさらに2000円以上も上昇、対ドルの円相場も約10円安となり、「企業業績の回復にもつながった」(自動車)ことが評価された。
次いで評価が高かったのは「税制改革」で24社。3番目までに評価した企業も合わせると50社に上った。ただ、最も十分でないとする政策でも、「規制改革」に次ぐ2位(19社)、今後期待する政策のトップに52社が「税制改革」を挙げるなど評価が分かれた。
法人実効税率は現在約35%で、政府は昨年6月の成長戦略で法人税の実効税率を数年で20%台に引き下げる方針を示しており、「法人税減税を実施することは高く評価できる」(証券)、「未実現だが、方向性を評価」(化学)が1位に挙げる理由の一つ。
昨年4月に8%に引き上げた消費税増税の実施で、「財政健全化に向けて取り組んでいるため」(運輸)とする意見もあった。ただ、消費税率10%への引き上げを先送りしたことには異論もあり、「実質的な国際公約として認識されていたはず」(電機)、「税制先送りに変わる抜本的な改革案がない」(自動車)などとの声も挙がった。
このほか、「安全保障・外交戦略」を9社が最も評価すると答え、その理由について「活発的な経済外交の展開」(エネルギー)、「月1回の外遊で、諸外国との関係を強化した」(商社)とした。一方、「韓国、中国との対話を重ね、関係改善を図るべきだ」(素材)との意見もあった。
また、「規制改革」に対する意見も多かった。これまでの取り組みで最も評価しない政策として20社が「規制改革」を挙げるとともに、期待する政策として22社が1番に挙げた。
「規制改革で新産業の育成を図るとしているが不十分」(小売り)、「掛け声は良いが、具体的な政策に乏しい」(商社)というのが不満の理由。「既存の枠にとらわれない自由な発想の実現が不可欠」(小売り)などと求めた。