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政府、補正予算3.1兆円閣議決定 景気浮揚と財政健全化、両立

ニュースカテゴリ:政策・市況の国内

政府、補正予算3.1兆円閣議決定 景気浮揚と財政健全化、両立

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 政府は9日、臨時閣議を開き、総額3兆1180億円の2014年度補正予算案を決定した。補正予算案は昨年末に決定した3兆5289億円の経済対策の財源で、家計支援と地方活性化を重視し、景気回復を目指す。当初予算(95兆8823億円)と合わせた総額は99兆3億円となる。

 14年度補正予算案から経済対策として計上するのは、生活者支援に1兆1854億円、地方活性化に5783億円、災害・危機対応に7578億円。東日本大震災復興特別会計には9844億円を繰り入れ、そのうち、7247億円は震災からの復旧費用に使う復興債の償還財源に充てる。

 経済対策の財源は、景気回復に伴う税収の上ぶれ分を活用する。具体的には所得税1兆270億円、法人税4950億円、相続税2030億円。この増収分と13年度の剰余金の中から地方交付税交付金に9538億円を支出する。

 14年度予算で計上した新規国債発行額(41兆2500億円)は7571億円減額する。この結果、歳出の財源を新規国債の発行でどれだけ穴埋めしたかを示す公債依存度は43%から40.9%に低下した。

 今回の補正予算案は、昨年4月の消費税増税で落ち込んだ景気をいち早く回復軌道に戻すため、消費と地方経済の活性化に的を絞った政策が盛り込まれた。2012年度補正の10兆円、13年度補正の5兆5000億円と比べて規模は小ぶりにし、景気浮揚と財政健全化の二兎を追う。

 12年12月の安倍政権誕生後のアベノミクスの第1幕では、日銀による大規模な金融緩和と機動的な財政出動をてこに、円安株高や企業業績の改善をもたらした。

 ただ、物価上昇のスピードに企業の賃上げが追いつかず、家計の負担がじわりと増した。そこに消費税増税が重なり、景気に急ブレーキがかかった。円安による材料費高騰で地方経済を担う中小企業も疲弊してきた。14年度の実質国内総生産(GDP)の成長率はリーマン・ショック後の09年度以来、5年ぶりに前年度比マイナスとなるもようだ。

 経済対策では、消費喚起策として新たな交付金を盛り込んだり、中小企業支援を手厚くした。「生活者」「事業者」という表現を使い、円安株高の恩恵を受けにくい国民の暮らしに配慮する姿勢を強調した。成長戦略の加速に向けた競争力強化策が目立った1年前の補正とは様変わりした印象だ。

 与党内から歳出圧力が根強かった公共事業は緊急性の高い施策に絞った。13年度補正では公共事業に1兆円を充てたが、今回は3300億円にとどめ、予算の大半を次年度へ繰り越さないように配慮。国債費の大幅減額と合わせ、財政健全化への取り組みを前進させた。

 17年4月に消費税率を10%に引き上げるまでに残された時間はあと2年。その間に、日本経済は負担増に耐えうる体力を回復できるか。今回の補正予算案がアベノミクス第2幕のキックオフとなる。(小川真由美)

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