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赤字半減目標達成もPB黒字化困難 当面は綱渡りの財政運営に

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赤字半減目標達成もPB黒字化困難 当面は綱渡りの財政運営に

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 2015年度予算案は、新たな借金である新規国債発行額が6年ぶりに40兆円を下回った。基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の対国内総生産(GDP)比の赤字を10年度に比べて半減する政府目標も達成する見通しで、財政健全化への取り組みは一歩前進した。ただ、20年度のPB黒字化のめどは立っておらず、当面は綱渡りの財政運営が続きそうだ。

 昨年夏の内閣府の試算では、消費税再増税を前提に、15年度は赤字半減目標の達成からさらに0.7兆円上回る収支改善を想定していた。ところが、消費税再増税の延期で税収が1.5兆円減った上、今月9日に決めた14年度補正予算案(3.1兆円)のうち1.2兆円が15年度に繰り越される見込みのため、半減目標達成の水準から収支が2兆円悪化。

 これを景気回復による税収増(0.4兆円)と基金の剰余金の国庫返納や日銀納付金など副収入(0.6兆円)、歳出の効率化(1兆円)で補い「やっとのことで達成できる」(財務省主計局)。

 ただ、20年度に向けて財政のかじ取りは険しい。今年10月に予定通り消費税を再増税していても、20年度にはなお11兆円のPB赤字が残る見込みだ。再増税の先送りで達成までに残された時間が短くなり、20年度のPB黒字化への道のりはさらに厳しくなった。

 財政健全化を進めるためには、(1)成長による税収増(2)増税(3)歳出の大幅削減-の3つを「バランスよく進めることが不可欠」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)だ。世界経済が低成長にとどまる中、日本だけが高い成長を続けるのは難しい。将来、消費税など一層の増税が必要になる可能性は高いが、南氏は「景気を冷やすリスクが高い増税の前に、歳出削減を徹底すべきだ」と指摘する。

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