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地方・中小に“恩恵”届かず 日銀のさくらリポート
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日銀が15日発表した地域経済報告(さくらリポート)は、大都市と大企業が感じ始めている景気回復の風が地方や中小企業まで浸透しきっていない実態を浮き彫りにした。安倍晋三政権は「地方創生」をキーワードに掲げ、アベノミクスの恩恵を全国に届けようとしているが、景気回復はまだら模様の様相だ。
「北海道電力の再値上げで家計や企業のマインドがやや冷え込んでいる。特に電気の多消費型業種からは『非常に痛い』との声を聞く」
景気の基調判断を唯一引き下げた北海道。日銀札幌支店の曽我野秀彦支店長はこの日の記者会見で、電気料金の高止まりが道内経済に与える影響に懸念を示した。
北海道が下方修正された主な要因は、公共投資が前倒しで執行されたことだ。ただ公共投資は「東京五輪まで旺盛な需要が続く」(鹿島の中村満義社長)などの声もあり、全国的に高水準の状態にある。
一方、世界経済の減速懸念や米国のシェールオイル増産を背景に原油安が急ピッチで進行。ガソリン価格(全国平均)は25週連続で値下がりしているが、水戸事務所などからは「現時点で(原油安の)収益面へのプラス寄与を指摘する声は多くない」との報告があった。
日銀が昨年10月末に決めた追加金融緩和で円相場は下落。昨年12月上旬には約7年4カ月ぶりの円安水準となる1ドル=121円台をつけた。円安に加え、免税対象品目の拡大で増えている訪日外国人は消費の牽引(けんいん)役を担う。ただ「地方郊外店が恩恵にあずかっていない」と高島屋の木本茂社長が指摘する。
政府は来年度一般会計予算案に、自治体が自由に使える1兆円の予算枠を設けた。全国地方銀行協会の寺門一義会長は「中小企業の前向きな資金需要が出てくることを期待したい」と述べ、地方創生に強く期待した。