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「米国はF3開発に介入せず」「次期戦闘機は日米共同開発を」…米ヴァンダービルト大教授ジェームス・アワー氏

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「米国はF3開発に介入せず」「次期戦闘機は日米共同開発を」…米ヴァンダービルト大教授ジェームス・アワー氏

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 アワー氏 私は技術面の専門家ではないが、コスト面について言及したい。私の知っている限りではF35は米国向けに開発されており、日本にとって非常に素晴らしい第5世代戦闘機となるだろうが、コストは途方もなく高い。F35の価格高騰はマケイン上院議員(元海軍パイロットで捕虜として北ベトナム兵から数年間、拷問を受けた)など国防問題に理解のある政治家でさえ批判の的になっていた。私はマケイン上院議員を称賛しているが、これは高性能戦闘機開発をめぐる開発費高騰や技術的な難しさを象徴している。私の見解では、日米双方に技術的専門知識があり、開発コストが法外に高いという事実は将来の共同開発を支持する十分な根拠になるといえる。無論、ロッキード・マーチンなど米メーカーあるいは三菱重工業など日本メーカーにとっては、すべて(またはできる限り)独自で開発したいところだろうが、私の個人的意見としては、単独での開発は過去や現在だけでなく、未来においても、『将来の夢』といえるのかもしれない。

 --国産戦闘機開発は航空機産業や雇用の拡大などの利点があるが、その他の観点ではどうか

 アワー氏 日本は(FSX計画で)F1より優れた『(純)国産のF2』を開発できたのかもしれないし、その方が三菱重工業とその関係会社、株主にとっては良かったのかもしれない。だが、その性能が(F2のベース機である)F16に匹敵するものになっていたかは疑問だ(個人的にはF2のベース機をF16ではなく、[海軍士官経験者として親近感がある海軍機の]F14改修版とするのが最良の選択だったと思う)。さらに、純国産機開発はほぼ間違いなく日本の納税者にとって非常に高くつくことになっていただろう。

 十分な時間と努力、巨額投資で日本は『(純)国産』の第5世代戦闘機を『辛うじて独自に』開発することは可能だろう(『辛うじて』としたのは、このような航空機には依然としてかなりの量の米国もしくは外国の技術が組み込まれることになると確信しているからだ)。それ以上に、私はむしろ日米の双方がF35をベースにした『スーパー第5世代戦闘機』の開発に、そして第6世代戦闘機に向けた真の意味での共同開発に、限られた資金をより多く投入することを期待したい。(佐藤健二)

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