日銀は対話よりサプライズ重視? 政策維持も消えぬ市場の疑念
更新「黒田総裁の発言を額面通り受け取ると、金融政策の予想が難しくなる」。第一生命経済研の藤代宏一主任エコノミストはこう話す。
“世界水準”に逆行
海外では、米連邦準備制度理事会(FRB)が13年春、国債などを買う量的金融緩和の縮小を示唆し、日経平均株価は1日で1143円も急落した。しかし、市場は徐々に落ち着きを取り戻し、縮小が実行されたときや昨年10月の緩和終了時の市場のショックは小さかった。
HSBC証券の城田修司マクロ経済戦略部長は「『金融政策の透明性を高めた方が有効』という最近のグローバル・スタンダードに日銀は逆行している」と指摘する。
3月に量的緩和に踏み切った欧州中央銀行(ECB)も昨年11月には導入を示唆。市場はほとんど織り込み済みだったが、緩和規模は市場予想を上回った。野村証券の木下智夫チーフエコノミストは「日銀からサプライズを学んだ」と分析する。
