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自公、3試案を7つの視点で検証 軽減税率協議

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自公、3試案を7つの視点で検証 軽減税率協議

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 自民、公明両党は27日、生活必需品の消費税率を低く抑える「軽減税率」の制度設計を検討する協議を開き、3つの制度試案について低所得者への配慮や代替財源の確保など7つの視点から検証した。試案にはいずれも一長一短があり、取りまとめはどの点に重きを置くかの政治判断となりそうだ。

 与党は軽減税率の対象品目の絞り込みに向け、22日に「酒類を除く飲食料品」「生鮮食品」「精米」の3案で、法制化前提の具体案や課題を整理。27日は7つの視点でこの試案を◯×で評価し、両党の意見のすり合わせを行った。野田毅自民党税制調査会長は「各案で難しい課題がそれぞれあり、(取りまとめは)大変だということを確認した」と述べた。

 例えば、公明党の考えでもあるが、消費者に税負担の軽減効果を実感してもらうには、対象品目をできるだけ多く設定することが必要だ。

 試案では収入別の世帯ごとに、標準税10%時に対象品目の税率を8%に据え置いた際の年間の負担軽減効果を試算。平均年収が176万円の低所得世帯では、酒類を除く飲食料品で軽減額が8470円、生鮮食品では2325円、精米だと290円。精米だけでは負担軽減を実感しにくい。

 品目が多ければ、社会保障財源に充てる消費税の税収は減る。試算では、消費税2%分を軽減した場合の年間減収額は酒類を除く飲食料品が1兆3000億円、生鮮食品が3400億円、精米が400億円となる。自民党は品目が多くなり、財政再建に支障をきたすことを懸念する。

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