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自公、3試案を7つの視点で検証 軽減税率協議

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自公、3試案を7つの視点で検証 軽減税率協議

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 だが、対象品目を絞ったり、税率の軽減幅を抑えたりすれば、消費者にとって分かりにくくなったり、負担軽減が実感できなくなる。野田会長は27日、議論が堂々巡りになる状況について、「品目設定の悪循環」として1枚の紙にまとめた。

 同日の協議では、そもそもの政策目的である低所得者対策としての効果、すなわち消費税の負担率が所得が低いほど大きくなる「逆進性」を緩和する効果があるのかにも議論が及んだ。

 例えば、酒類を除く飲食料品の場合、負担軽減額は年収176万円の世帯は8470円、年収1077万円では1万9750円となり、かえって高所得者の恩恵が大きい。軽減税率導入までの暫定措置である「簡素な給付措置」は低所得者のみに給付を絞っており、かつ予算額も2015年度で1320億円と少なく済む。野田会長は「逆進性だけで考えるとミスリードだが、乗り越えなければならない大きな課題」と話した。

 ほかにも、試案では精米以外の2案で、経理事務に品目ごとに税率や税額を細かく記入して取引する「インボイス(税額票)」の導入が不可欠と明記。しかし、事務負担が増えるため経済界は反発しており、事業者視点の配慮も課題として挙がった。与党は今秋までに制度の最終案を固める方針だ。

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