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ウクライナ、高まるデフォルト懸念 成長率マイナス7%…債務再編計画めぐり“瀬戸際戦略”

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

ウクライナ、高まるデフォルト懸念 成長率マイナス7%…債務再編計画めぐり“瀬戸際戦略”

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ウクライナ・キエフの最高会議議事堂前で気勢を上げる対外債務の再編法案に賛成する集会の参加者ら=21日(ロイター)  【モスクワ=黒川信雄】東部での戦闘が続くウクライナで、デフォルト(債務不履行)懸念が高まっている。国際通貨基金(IMF)は6月に次回の金融支援実施の可否を判断する予定だが、そのためには巨額の債務再編が不可欠と主張。債権国のロシアは返済計画変更には一切応じず、他の債権者とも交渉は難航しているもようだ。IMFの支援が滞れば、デフォルトは一気に現実味を増す。

 ウクライナ中央銀行によると、今年1月時点の同国の対外債務は約1263億ドル(約15兆5千億円)にのぼった。一方、外貨準備は2月時点で約56億ドルにとどまり、借金返済や為替介入もままならない。紛争の影響で今年の経済成長率は前年比で7%超のマイナスになる見通しだ。

 IMFは3月、ウクライナに対し、総額400億ドル規模の支援策を決定。今後4年間でIMFが175億ドル、米欧などが75億ドルを拠出する一方、元本の減免など債務の再編で150億ドルを捻出するとしている。

 しかし債権者との交渉は難航が続いているもようだ。年末に満期が迫る30億ドルの債権を保有するロシアは、償還期間の延長などには一切応じない考えを強調。ロシアは民間銀行を含めると250億ドル規模の債権を持つとされる。米ファンドなど他の債権者も、再編には難色を示しているようだ。

 IMFは3月、ウクライナに50億ドルを融資。しかし6月に予定する次回の金融支援実施の判断には、再編交渉の妥結が「不可欠」(リプトン筆頭副専務理事)としている。そのため交渉の行方次第では、支援計画が頓挫しかねない。

 一方、ウクライナ議会は今月19日、政府が必要に応じ、対外債務の支払いに自らモラトリアム(猶予期間)を与えられる法案を承認。ヤツェニュク首相は「政府が提案する条件で返済させてほしいということだ」と言い切り、債権者に再編への同意を迫った。

 モラトリアムは、実施されればデフォルトとみなされる恐れがあるだけに、法案は債権者に圧力をかける“瀬戸際戦略”とみなされている。ロシアのプーチン大統領は「事実上のデフォルト宣言だ」と批判した。

 同国東部では戦闘が再び頻発し、死者が連日のように発生している。紛争が再燃し、社会情勢がさらに悪化すれば、ウクライナは社会、経済ともに泥沼の状態に陥りかねない。

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