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「兄弟衝突」「長男の反撃失敗」「一日天下」ロッテ“お家騒動” 韓国で高い関心
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28日、ソウルの金浦空港に到着したロッテ創業者の重光武雄会長(聯合=共同) 【ソウル=名村隆寛】ロッテの創業者、重光武雄会長(92)が経営の第一線から事実上、引退することになった。長男の宏之氏(61)、次男の昭夫氏(60)の息子2人を中心に展開した創業者一族の“お家騒動”は、武雄氏の祖国、韓国で高い関心を集めている。
「兄弟衝突」「長男の反撃失敗」「一日天下に終わったクーデター」。武雄氏が、ロッテグループの日本事業の持ち株会社、ロッテホールディングス(HD)で代表権のない取締役名誉会長に就くことが発表された翌29日、後継をめぐる骨肉の争いは韓国でトップニュースとして報じられた。
韓国でロッテは、資産規模で財閥の第5位。創業者の武雄氏は、在日韓国人1世として日本で成功した立志伝中の人物として知られている。韓国での事業は1990年代から、次男で韓国ロッテグループ会長の昭夫氏が担っており、昭夫氏は韓国財界の著名人だ。
日本を担当していた宏之氏は今年1月、ロッテHDの副会長を解任され、今月15日に同HD副会長の昭夫氏が代表権を得た。韓国メディアでは、ソウルにいた高齢の父親を担ぎ出し“復権”を狙った兄、宏之氏の反撃を、韓国財界の重鎮である弟の昭夫氏が食い止めた-との見方が支配的だ。
朝鮮日報は「父親を盾にした(宏之氏の)たくらみは1日もたたずに水の泡に」と報じたほか、昭夫氏が「日本のロッテの取締役会を掌握し、保有株式でも有利な位置を占めたことが確認できた。(昭夫氏の)完勝だ」とする財界関係者の見方を紹介した。
また、「韓国ロッテの売上高が日本のロッテの20倍であり、経営規模の格差が経営継承に大きく作用した」という分析もある。
一方で、宏之氏サイドが巻き返しに出る可能性を指摘する意見も出ている。ロッテHDの最大の株主である光潤社の株を対等に持つ宏之氏と昭夫氏が、今後どれだけ所有株を積み増すかが焦点だとする見方のほか、昭夫氏が創業者で父の武雄氏を引退させたことが波紋を広げるとの予測も出ている。