韓国空軍は「ブラック企業」だった パイロットの異常な離職率…給料安く士気低下
更新機材の不安も離職に拍車
パイロットが乗り込み、命を預ける航空機にも不安がつきまとう。13年9月には空軍の戦闘機F-5Eが整備不良のため韓国中部の忠清北道に墜落。空軍では、こうした整備不良にまつわる事故が多いとされ、2000年以降で35機が墜落し、パイロット38人が死亡。うち5件が整備不良で5件が故障だった。交換する部品がなく、他の故障機から無事な部品をはぎ取ってくる「共食い整備」も発覚し、韓国マスコミの批判の的となった。
高官の不正も後を絶たない。KBSテレビ(電子版)などは、陸海空軍とも将軍や高官OBが装備品導入などに絡む不正行為で私腹を肥やすケースが続発していると報じる。
昨年11月に発足した防衛事業不正合同捜査団が摘発した空軍の不正は、戦闘機整備代金詐取▽電子戦訓練装備の納品代金詐取▽司令部要員の軍事機密漏洩(ろうえい)-の3件で、不正額は約1340億ウォン(約148億円)にのぼる。将軍2人を含む軍幹部計6人が起訴されている。
こうした不正を見せられながら、なお国のために命をかける気持ちになれるものだろうか。パイロットの転職は、6万5千人が所属し、約790機の航空機を運用する韓国空軍に暗い影を落としている。
